日ごとに寒さが増していく師走の時期。温かいスープが食べたくなった筆者が訪れたのは、阪急夙川駅から徒歩約10分ほどの住宅街で営業しているパンとスープのお店『ameen's oven』（西宮市）。

1台ほど車が止められるスペースがあります。

ほかのお家の並びの中にあるので初見ではわかりづらいかもしれません。可愛いブラックボードの看板を目印に訪れてみてください。

14時頃訪れましたが、本日は売り切れ間近でした

同店は希少で栽培に手のかかる古代小麦やライ麦を使ったパン屋さんで、中身の入った惣菜パンは少なく、食パンやクロワッサンなど純粋な”ブレッド”をメインに販売されています。

店内

店内はヨーロッパを彷彿させるお洒落な雰囲気。イートインスペースも設けられており、無垢材の大きなテーブルを囲んでランチやカフェを楽しむことができます。

テラス席

外にはアウトドアチックなデザインのテラス席も用意、常連さんに人気のお席だそうです。

「スーププレート」1,250円（税込）

パンのいい香りが漂う中、本日は「スーププレート」をオーダー。あっつあつのスープに5種類のパンがついてきます。こちらのプレートでパンを試食して、気に入ったパンを買って帰ることもできます♪メニューは「スープ」や「チーズセット」など、とにかくパンに合うメニューを考案されているそう。

さといもとキノコのスープ

スープにはトロトロのさといもと旬のキノコを使用。乳製品は使わず豆乳でさっぱりとした仕上がりになっていますが、さといものとろみとパンとの相性が最高です。

左から「セーグルノア（ライ麦とクルミ）」、「モルドワインブレッド（赤ワイン入り）」、「古代小麦のパン」、「栗の粉とクルミのパン」、「ライ麦パン」

パンにも乳製品は使っておらず、材料は酵母、小麦やライ麦、塩のみ。無駄なものを一切入れていない、まさに “パンの原点” とも言えるレシピです。ライ麦使用のパンは少し酸味がありますが、その酸味がこのさといもの甘味にとても合っていました。この酸味は時間の経過とともに薄れていくそうなので、翌日には違った味わいが楽しめます。

「セーグルノア」クルミやナッツ、デーツなのども全て有機食材を使用

パンに練り込んでいるナッツやレーズン、スープ、サラダに使用している野菜はすべて有機栽培されたもの。生産にかかる手間を惜しまない農家さんとの繋がりを大切にし、体に優しく味わい深いメニューの提供を心掛けているそうです。噛めば噛むほど小麦やライ麦のおいしさが口の中で広がり、パンを取る手が止まりませんでした♪

レーズン酵母

本日は、貴重な自家製酵母も見せていただきました。この酵母ですべてのパンができていると思うと感動的です。パン作りは、前日の午後から始まり約18時間ほどかかるそうですよ。

左「はしばみとなつめの黒パン」518円（税込）右「スペルト小麦のパン　ファッロ全粒100」993円（税込）

ライ麦パンや古代小麦と聞くと「パサパサしてる？硬い？」と思う人もいるかもしれませんが、全くそんなことはなく、むしろしっとり噛み応えもあり、噛むほどにおいしさも増し、本当に癖になる味と食感でした。

パンの原点にこだわり、それを貫きながら日本人にも合うおいしいパンを追求している店主が生み出す唯一無二の味わいをぜひご賞味ください。