ふらりと立ち寄りたくなる、とっておきの書店
「本の栞」で出会う日常の中の1冊 神戸市中央区
通勤中や夜のひととき…ふと「本を読みたい!」と思い立ち、元町商店街近くの書店「本の栞」(神戸市中央区)に行ってきました。
7月3日に新装開店されたばかりの同店は、真っ白なカウンターとその奥のレコードプレーヤーが印象的。外から店内を覗くと一体何のお店だろう?と興味をそそります。
店主の選んだ新刊を中心に、古書やリトルプレス(自主制作本)などが並び、遠方から足を運ぶ人も少なくないそう。小説やアート、カルチャーなど多彩なジャンルの書籍が揃う中、特にエッセイと日記本を多く扱っています。
店主自身が古本屋で働いた経験やそれまでに培った人間関係を活かし、オープン3年目を迎える同店。「いろいろな人が来られますが、私と同年代のお客様が多い印象。商品は客層に合わせたものや、そのとき気になっているテーマのものを中心に取り扱っています」と語るのは、自身も雑誌で日記スタイルの連載を持つ店主・則松栞さん。
「エッセイよりも内省的で、個人の生活や周囲のことについて書かれることが多く、日常を覗き見する感覚を味わえる。誰でも書けることも日記本の魅力の一つ」と教えてくれました。人と会うことが少なくなった状況で、自分以外の人がどんな暮らしをしているか気になる人が増えたこともあり、特にコロナ禍に入ってから人気が高まっているそう。
そんな日記本やエッセイを多数取り揃える「本の栞」で則松さんがおすすめしてくれたのはこちらの3冊。
店内にも導入されている“無指向性スピーカー”を製作する「listude」の15周年を記念したブランドブック。「聴く」ことにまつわるエッセイや、ブランドに関わりの深い人物のインタビューやコラム、写真集など、多方面から知ることができる日英バイリンガルの5冊組の書籍です。
エッセイ本「常識のない喫茶店」などで注目を集める作家・僕のマリさんのリトルプレス。コロナに罹患する前の元気なときのことや、罹患したときのこと、後遺症で体調不良が続いた半年間の記録が綴られており、コロナ渦における作者の胸の内を伺い知れる内容です。
20世紀のスイスの画家、パウル・クレーの自叙伝ともいえる日記に手稿図版を織り交ぜた一冊。表紙がビニールクロスになっており、本物の日記を手にしたような重厚感のある装丁です。「昔の画家も日記に書くのは同じような内容なんだな、と感じられます」と則松さん。
本の販売のほかにも作家を招いたトークイベントや、ミュージシャンによる音楽イベントを開催。今後も定期的に様々なイベントが開催されるそう。通常営業中にも珈琲やお酒が提供されるなど、カフェやバーの感覚で気軽に立ち寄りやすいのも嬉しいですね。
大型書店とは違い、セレクトされた本だけがぎゅっと1か所に集められたお店。いつも見る書棚にはないようなすてきな一冊と出会えるかも。
詳細情報
- 店舗
- 本の栞
(神戸市中央区元町通4丁目6-26 元村ビル1F北)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 12:00~19:00
- 定休日
- 水曜日、木曜日