人気の高級食材『鱧（はも）』。旬のシーズンを迎えたことを受け、淡路島観光協会は先日「淡路島はもキャンペーン」と題し、メディア向けに懇親会を開催しました。県内はおろか、国内でも主な産地として知られる淡路島の鱧。その特徴は？食べ方は？どこで食べられるの？疑問を徹底解明します！

京都「祇園崔」のはも道中

淡路島でとれた鱧は古くから京都や大阪に届けられ、夏の味覚として重宝されてきました。現在でも京都で開催される「祇園祭」の時期に、淡路島産の鱧を八坂神社へ奉納する「はも道中」が行われるなど、多くの人に愛されてきた歴史の深さが感じられます。

淡路島の鱧が育つ場所は、潮流の速い海底。いつも新鮮な水が供給され、餌となる甲殻類や魚が豊富になることから、最高の鱧が育つにはもってこいなんだとか。

また漁の仕方にも大きなポイントが。様々な魚類と一緒に獲る「底引き網漁」が一般的なのに対し、淡路島では鱧を一匹一匹丁寧に釣り上げる「はも延縄（はえなわ）」という方法で漁を行っています。この方法により淡路島では傷が少なく、身が白い鱧（通称「べっぴん鱧」「黄金鱧」）が誕生するんだとか。

この日は職人が1つ1つ丁寧に骨切り。舌触りが気にならないように素早く丁寧に骨切りできるようになるには、10年ほどかかるんだそうです。

淡路島では「はもすき」と呼ばれる食べ方が人気とのこと。その具材は、淡路島の特産である「玉ねぎ」のみというシンプルさ！玉ねぎが透明になったら、その甘味がスープに溶けだした合図。鱧を入れて少し泳がせれば、その身は花びらのようにふんわりと開きます。

身は特有の食感を残しつつも、淡泊で上品な味わいが口の中でほどけます。玉ねぎの甘味も相まってどんどん食べたくなってしまう！また淡路島ではその新鮮さから、他ではあまり食べられない「卵」もいただけるんです！記者も初めていただきましたが、その濃厚な味わいに驚きでした。これはぜひ淡路島で食べてほしい！

この日はほかにも刺身やてんぷら、はも寿司など、いろんな食べ方で鱧を堪能。調理法が変わるとまた違った味わいとなり、あっという間にお腹がいっぱいになってしまいました。鱧を使った料理は、島内のホテルや旅館などでだいたい11月ごろまで楽しめるということです。

鱧を堪能するのは、歴史ある「淡路人形浄瑠璃」

淡路島ではたくさん獲れるために、島民同士でおすそわけされることもあったという鱧。なんともうらやましい話ですが、それだけ長きに渡って島民に愛されてきたがゆえの質の高い技と料理を、さまざまな特産品と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか？