創業100年！毎朝揚げる蒲鉾天ぷらは手土産にも◎

『黒田蒲鉾商店』に行ってきました　神戸市須磨区

神戸が「練り物発祥の地」といわれていることをご存じですか？西暦260年頃、神功皇后が生田神社の杜に立ち寄った際に、魚の身をすり潰したものを鉾の先につけて焼いて食べたことが始まりといわれています。
板宿駅から徒歩3分の板宿市場の中にお店はあります
『黒田蒲鉾商店』（神戸市須磨区）は大正12年創業、今年で創業100年を迎える老舗蒲鉾店です。創業当時、神戸には約100軒の蒲鉾店があったそうですが、現在は20軒弱に。
蒲鉾をはじめ、種類豊富な天ぷら（さつま揚げ）がずらり。種類の多さも特徴です
「変えないことが美味しさを維持する秘訣」と語る黒田さんは4代目。蒲鉾・天ぷら作りは、毎朝3時頃からすり身を加工して揚げるというハードな仕事ですが「その日の揚げたて、美味しいものを食べてもらいたい」という思いから、長年このスタイルを続けられています。

加工方法にもこだわりあり。職人さんが「付け包丁」という練り物専用の包丁ですり身を練って、ひとつひとつ手作業で揚げています。その時々のすり身の状態を手で確認することで、練る回数や油の温度を調整できるそうです。
「かまぼこ屋さんのコロッケ」140円（税込）
玉ねぎ入りのすり身コロッケは同店発祥ともいわれています
そんな同店の一番人気は「かまぼこ屋さんのコロッケ」。魚のすり身にたっぷりの淡路産玉ねぎ、人参を練り込んで揚げたコロッケです。
取材中も小さなお子さん連れのお母さんがコロッケを買いに訪れていました
口にすると、ふわっと柔らかくて甘い！淡路玉ねぎでないとこの甘さは出せないそうです。ジャリジャリしない柔らかい玉ねぎもすり身との相性抜群。お子さん人気が高いのもうなずけます。
げんこつ揚」160円（税込）
季節限定商品などの新商品も定期的に発売されます
こちらは片手で食べられる新商品の「げんこつ揚」。軟骨のコリコリ食感が楽しめて、ネギの風味がふわり。野菜のカットもすべて包丁を使って手作業という同店。絶妙な食感、豊かな風味はそんな“手間暇”からきているのですね。
ライバルはドーナツ店？！ちょっと手土産に持って行くのに、箱入りドーナツもよいけれど「箱入り蒲鉾天ぷら」もおすすめです
種類豊富な蒲鉾天ぷらは、練り込まれた食材によって味、食感が異なります。好みや気分に合わせて選べるので、おかずにも、おつまみにも、おやつにも、そして手土産にも最適です。
晩御飯のおかずにもなって日持ちもします。手土産でもらったら嬉しいはず！
もっと蒲鉾の美味しさを知ってほしいと、5月11日には本店の2軒隣に『関東煮酒場 くろかま』をオープンしました。
できるだけ板宿市場、板宿商店街の食材を利用しているそう。地域の活性化にもつながりそうですね
こだわりの地酒とともに、できたての蒲鉾を使った関東煮や一品料理が楽しめます。同店の天ぷらやちくわを入れると、お出汁がしみ出ておでん全体が美味しくなると評判。蒲鉾天ぷらの新たな食べ方も知ることができますよ。
昭和レトロなイメージの店内は、市場の雰囲気にもぴったり
伝統を大切にしながら新たな取り組みも行い、歴史をつなぎ続ける『黒田蒲鉾商店』。「板宿近くに行ったら必ず寄る」、「ここの蒲鉾が一番美味しいからわざわざ買いに行く」という長年のお客さんが多いのは、美味しさの証ですよね。

「昔からのお客さんはもちろんのこと、ぜひ若い方にも食べていただきたい」と黒田さん。一度食べてみると、蒲鉾天ぷらのイメージが変わるかも？！

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