知れば知るほど奥が深い お茶席体験
旧九鬼家住宅資料館で開催の「さくら茶会」に行ってきました 三田市
満開の桜の下、春爛漫の週末に、旧九鬼家住宅資料館(兵庫県指定重要文化財)で開催された「さくら茶会」に出かけてきました。文化財建築の中での茶会でもあり、貴重な体験にドキドキしながらの参加です。
受付や茶室のお床には季節の花が飾られており、素敵な心遣いに思わず胸がキュンとしました♪
待合には、本日使用されるお道具を記した「会記」が置かれていました。会記の上に掛けられた色紙には、「花知鳥待花」の禅語が。花を知り鳥は花を待つと言う意味で、主客の心待ちを込めて使われています。花は主、鳥は客で、花も鳥を待つと言うお互いの想いを表しているとか。深いですね。これを見るだけで、気持ちがグッと高まります。
茶会では、席主(主催者)に招かれた客たちが、用意された心づくしの室礼(部屋の様子等のこと)や、お茶道具を楽しみながらお菓子と薄茶をいただき、和やかなひとときを過ごします。このような場は初めてのため少し緊張もしましたが、右も左も分からない筆者に周りの方たちはとても温かく接してくださり、それが心地よく感じられる場所でした。
茶道では、季節感をとても大切にしており、掛軸やお茶花、お茶道具、お菓子などすべて季節を意識して取り合わせているとのこと。統一感やバランスを重んじるのは、日本人らしい感覚ですね。
本日のお菓子の銘は「花筏(はないかだ)」、ご製は開進堂です。さくらの花びらが散り、水面に浮かび漂うさまを表現したもので、内側は水面を表すように鮮やかな水色で練られています。
薄茶をいただいた後は、席主が正客(上座の客)から順に挨拶をし、会話を楽しみます。茶道では、
「我が仏」・・・宗教
「隣の宝」・・・人の財産状況
「婿舅」・・・家のなかのごたごた
「天下の軍」・・・政治の話
「人の善悪」・・・人の悪口
以上の5つは話題にしてはいけないと決まっているため、室礼やお道具、季節の話題などについて話をします。俗にまみれた普段の生活の場から離れて、心が洗われる思いでした。
筆者に出されたのは、可愛らしい絵柄のついた、黄色のお茶碗。ちなみに先生のお気に入りは、龍野「孔雀窯 松山雅英」のものだとか。赤とブルーの混ざり合った器の色に、薄茶を飲み終えた後に残る底面の緑がなんとも趣深い、とおっしゃっていました。お茶碗はこのような楽しみ方もできるのですね。
本当にお茶の世界は深いです。先生にいろいろとお話しを聞きながら話が尽きず、機会があればもっと深く茶道を知ってみたい、と思わせられた一日でした。
今回の茶席の主催は初音会。「初音会」という名前は、席主・宗初先生の名から一文字をとって命名されたそう。日本古来の文化である茶道をもっと気軽に楽しんで欲しいと、毎年この季節に茶会を開催されています。「普段、茶道は敷居が高い、と感じている方にも足を運んでもらい、茶道人口を増やしたい。茶道は楽しい!こんなに楽しい!ということをぜひ知っていただきたい」とおっしゃっていました。
この日は、満員御礼で幕を閉じたとのことでしたので、次回の参加をご希望の方は、早い時間をお勧めします!
そして、最後に・・・「NPO法人 歴史文化財ネットワークさんだ」の松原さんから、擬洋風建築である旧九鬼家住宅の最も美しいアングルを教えていただいたので紹介します。ぜひ現地で鑑賞してくださいね♡♡
イベントの詳細や参加方法は初音会のホームページをご覧ください。
詳細情報
- 場所
- 旧九鬼家住宅資料館
(三田市屋敷町7−35)
GoogleMapで探す
JR三田駅から徒歩12分
神鉄三田本町駅から徒歩14分
ふるさと学習館に数台、無料駐車場有 - 席料(参加費)
- おひとりさま 一席700円
- その他
- 一席 / 約10名
所要時間 / 30分程度
順次交代制 - 参加方法
- 当日、現地にて受付(先着順100名)
受付時間 / 10:00〜14:00