尾野真千子、向井理が登場　映画『いつまた、君と ～何日君再来～』大阪舞台挨拶レポート

　俳優・向井理が祖母の卒寿祝いとして自費出版で贈った祖母の手記を自ら7年の歳月をかけて映画化した『いつまた、君と ～何日君再来（ホーリージュンザイライ）～』の舞台挨拶が5月27日、TOHOシネマズ 梅田（大阪市北区）にて実施された。困難な時代を懸命に生きた家族の愛の実話が描かれる本作、主演・芦村朋子役の尾野真千子さん、夫・吾郎を演じた向井理さんが割れんばかりの拍手に迎えられながら登壇した。

　上映後の舞台挨拶は大阪が初めてだったといい、自らが企画した向井さんは「上映後というのはすごく緊張する」とコメント。尾野さんが演じた“朋子”は向井さんの祖母で、撮影の合間にも祖母についていろんな話を尾野さんにしたという向井さんは「戦後の大変な時を一生懸命生きてくれたからこそ、今の自分たちがあるんだなというありがたみを感じた」と感慨深く話し、尾野さんも「すごい人生。この時代を生きるのは結構大変だったんだということを朋子さんを通じて学びました」と語った。また、本作を手掛けた深川栄洋監督について向井さんは「小津（安二郎）監督や黒澤（明）監督の映画など何気ない家族の物語だけどドラマになる作品が好きなんですが、若いながらもこういう昭和の映像を撮れる深川監督という素晴らしい方とご一緒できて嬉しい」と笑顔で話した。

　高畑充希さんの歌う主題歌「何日君再来」について問われると、向井さんは「実際に祖母と祖父の出会った店で流れていた曲。歌詞が映画の世界観にぴったりで手記を読んだ際に曲を調べて聴いた。この主題歌は、余韻に浸るためというよりもこれは最後の登場人物」と大絶賛するも、尾野さんが試写でこの曲を聞いて号泣していたのをみて「自分の映画でそんなに泣く!?」と思わず笑ってしまったことを告白。

　終盤には、公式Twitterに寄せられた質問に答えるコーナーも設けられ、「久しぶりに共演して変わったことは？」という質問に対して尾野さんは「見た目が変わらないが、セリフに重みが出て後ろ姿に伝わるものがある」と回答。向井さんは「（前回の共演とは）役が違うからねぇ（笑）」と冷静にツッコミながらも「5年前にはイメージ出来なかったお母さんの役になりきっていた」と答えた。その答えを受け、尾野さんがドラム缶風呂のシーンで朝から泣き通しだった子役がお風呂に入ったら泣き止んだエピソードを披露すると、向井さんも子供たちと踊るシーンは子役の素直なリアクションを撮るためぶっつけ本番で撮影に挑んだことを明かした。

　最後に、「たくさんの方にお越しいただいて本当にありがたい。今日ご覧になった方にいろんなことを聞きたいです。また（本作が公開される）6月に会いましょう！（尾野さん）」、「この作品で親や祖父母の世代にどんなことがあったのか聞いてみるきっかけにしてもらえたらいいなと思います。皆さんのファミリーヒストリーの一部になれば幸いです（向井さん）」と締めくくった。

　映画『いつまた、君と ～何日君再来～』は、6月24日より全国にて公開される。

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