日本を代表するコレクターが集めた仏教美術に関わる資料を展示

『悉有仏性－全てのものに仏性がある－ 佐藤辰美コレクション展Ⅰ』香雪美術館　神戸市東灘区

　『悉有仏性－全てのものに仏性がある－ 佐藤辰美コレクション展Ⅰ』が、香雪美術館（神戸市東灘区）で7月2日まで開催されている。

　日本を代表するコレクター・佐藤辰美さんは、現代美術収集家として知られているが、古美術・中国美術・民族美術・レコード・CD・ワインと、その内容は多岐にわたり、幅広いのが特徴。アメリカの美術雑誌『ART news』が2014年に発表した世界のトップ・コレクター200人にも名を連ね、収集歴約50年、所蔵品の数は2万点を優に超えるという。佐藤さんはそれぞれの作品を収集するにあたって、「その時々に強く興味をひかれたものに焦点を絞って集中的に集めます。その後も…集め続けます」と語っている。

　この膨大なコレクションの中から選りすぐりの仏教美術を2期に分けて展示。仏教美術は1990年代半ばより収集を始め、2000年代半ば以降より本格的に集めだしたという。

　第1期では、平安時代の「金胎仏画帖（こんたいぶつがちょう）」の一部である「滅悪趣菩薩像（めつあくしゅぼさつぞう）」や、鎌倉時代に高山寺を開いた明恵上人が記した『夢記』断簡などの名品を紹介。加えて、コレクションの核ともいえる摩滅し、朽ち果てつつある仏像や経典、荘厳具（しょうごんぐ）などの断片、断簡に宿る美を紹介する。

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