江戸時代から受け継がれる明石の老舗煎餅店
魚の棚のすぐそばにある『富士の山菓舗』で名物のお煎餅をいただきました 明石市
明石駅の南側はもともと明石城の城下町だったんだそうで、今でも何軒かの老舗が営業を続けています。
今回はその中のひとつである『富士の山菓舗』にお邪魔しました。
お店には、手焼きのお煎餅をはじめ、昔懐かしい雰囲気の様々なお菓子が並びます。
こちらのお店でお煎餅を作り始めたのは、なんと安政3年(1856年)というから驚きです(ペリー来航の2年後!)。
お茶屋さんを営んでいた初代の利右衛門さんが「富士詣で」に行った際に富士山の姿に感動し、その帰りに早速大阪に寄って、富士山の形の煎餅型を作ったのが名物「富士せんべい」の始まりなんだそう。
上質な細かい粉で作るお煎餅は機械では焼くことができず、店頭で手焼きで作られています。
今も変わらない味が受け継がれた「富士せんべい」。手焼きしたあとに、丁寧に裏に黒ごまと生姜砂糖が塗られた一品です。
キリッとした生姜の風味の後に、じんわりと甘みが追いかけてきます。そしてゴマの香ばしさがアクセントになっています。なんだか懐かしい味!
こちらも、懐かしさを感じられる「柚子ちどり」。
裏には柚子の風味が香る砂糖が塗られています。口の中いっぱいに上品な柚子の香りが広がる、日本茶だけでなく紅茶にも合いそうなお煎餅でした。
歴史ある煎餅に加えて、新しいお煎餅も。発酵バターの芳醇な風味と優しい甘さがおいしい一品です。お子さんも喜びそう!
そのほか、さまざまな種類のお煎餅がおよそ15種類並びます。それぞれ生地の配合変えているんですって。
7代目店主の原田岳秋さんは以前よりお店で煎餅の焼き方などを学び、今年から本格的にお店を継いだそうです。小さな頃からお客さんが「おいしいわー!」と言ってくれるのを見ていたので、自然とお店を継ぎたいと考えるようになったんだとか。今は6代目のお父様と一緒にお店を切り盛りされています。
そんな岳秋さんが考案したのが「まんほぉる煎餅」です。
この煎餅を思いついたのが7代目としてお店に立つようになった約1ヶ月後の4月、明石市への許可や焼印を発注して5月には焼き始めたんだそう!初代利右衛門さんのようなスピード感でびっくりです。
実際のマンホールと比べてみると、この通り!明石らしさが溢れているので市外の方はもちろん、明石市民がもらっても絶対うれしいと思います。
さらに岳秋さんは「セミオーダー」の型も新たに考案されました。焼印のデザインはお姉さんが担当されたそうで、姉弟の力が結集されています。これがどれもとてもかわいいんです!
いろんな用途で使えるものばかりで、結婚式のプチギフトや退職のご挨拶などにもぴったり!バレンタインの義理チョコの代わりにも…!
お店を継いで約9ヶ月、岳秋さんは「この仕事は楽しい!今で創業から167年なので200年までは頑張りたい!」とおっしゃっていました。明石の老舗で受け継がれる味、そして新しい動きに要注目です!
詳細情報
- 場所
- 富士の山菓舗
(明石市本町1丁目13-20)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 9:00〜19:00
- 定休日
- 火曜日
- TEL
- 078-911-2479