昔ながらの製法で作る和菓子、できたてを味わって
西舞子にある『御菓子司 幸神堂(こうしんどう)』の名物和菓子をいただきました 神戸市
「あそこの和菓子は何を食べても美味しい」そんな話を聞いて取材に訪れたのは、西舞子にある『御菓子司 幸神堂(こうしんどう)』(神戸市垂水区)です。

海辺にはモダンなお店が立ち並ぶ西舞子エリアですが、駅の北側は落ち着いた住宅街です。懐かしい雰囲気の漂う街並みを抜けた先にある和菓子店。
昔ながらの店構えは品があり、背筋が伸びるような気持ちになります。店主の橋本さんは気さくな方ですのでご安心を。
創業60年を超える同店。橋本さんは2代目として毎日20種類以上の和菓子を作り続けています。“日持ちより味”を優先するという和菓子は、シンプルな材料で昔ながらの製法を用いて作られています。

同店の名物は「ふらい饅頭」。創業時からある人気のお菓子です。

口にすると、サクッと軽く中はしっとり。生地は甘さ控えめで、中に入っているこし餡の優しい甘さとのバランスが絶妙です。
揚げてあるのにしつこくなく、揚げドーナツともまた違った食感です。その秘密を聞いてみると、卵などの動物性の食材を一切使用せず、油も植物性のものを使っているのだそう。
「ふらい饅頭」を求めて遠方から訪れる人もいるくらい人気のある商品。朝と午後の2回できたてを販売しているそうですが、売り切れることもあるとのこと。朝イチに訪れるか、予約をしておくのがおすすめです。

「かりんと饅頭」は、寒い時期限定の商品です。一見普通のお饅頭ですが、食べてみてびっくり!周りはカチカチと音がするほどしっかりとした硬さがあり、ザックザクの食感です。かりんとうのザクザク感そのまま。

湿気の少ない時期だからこそ出せる食感だそうで、できたてをその日中にいただくのがおすすめです。

ふわふわの柔らかいお餅に大きな栗の渋皮煮がゴロンと挟まった「渋皮マロン大福」も、今の時期限定の商品。作れるものはお店で作るという同店、渋皮煮も自家製です。甘すぎない栗は、風味豊か。秋を楽しめる大福です。

昔ながらの製法を大事に守られている橋本さんですが、実はとても先進的で柔軟な考えの持ち主。講師として教壇に立ったり、子ども向けの和菓子教室を開いたり、農家とコラボして新商品を開発したりと、アグレッシブに活動されています。
「プラス思考なんです」と語る柔和な笑顔の内側に、伝統をより良い形で繋いでいきたいという熱い思いを感じました。

「できたてに勝るものはなし。お買い求めいただいたらぜひ早めにお召し上がりください」と橋本さん。シンプルな材料で丁寧に作られた和菓子は、何度でも味わいたくなる優しい味がします。
詳細情報
- 場所
- 御菓子司 幸神堂
(神戸市垂水区西舞子2-14-8)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 火曜日
- TEL
- 078-782-6302