川西市内では、千年以上前から栽培されている「北摂栗」の収穫が始まっており、なかでも栗の王様といわれる「銀寄（ぎんよせ）」は栗の最高品種と位置付けられ、上品な甘さで人気です。

北摂栗は、千年以上前から栗栽培が行われており、朝廷や幕府の将軍もこの地区の栗を口にしたという伝統ある栗。また、大正時代には、日本で初めて海外へ輸出を行うなど、その名を世界へと響かせ、その大きさや形、味の良さといった点から、今でも主力品種として栽培されています。

市内の若宮地区で栗を生産している大向善信（おおむかい・よしのぶ）さんが栽培する主な品種は、「銀寄」「筑波（つくば）」「有磨（ありま）」「ポロタン」「丹沢」の5種類ですが、年間の生産量の約6割が銀寄で占めているのだとか。

収穫作業を行う自宅から少し離れた圃場では約250本の栗の木を栽培され、例年9月上旬から10月上旬にかけて収穫している大向さんは、「今年は例年にない暑さと雨不足の影響で、実は少し小ぶりで生産数が少なくなっているが、味は例年通りのおいしい栗になっています」と話しています。

市産業振興課長も「生産量の減少など厳しい状況ですが、市内外の方に丹精込めて生産されている北摂栗を味わっていただきたい」と呼びかけています。

これらの北摂栗は伊丹市の「スマイル阪神」や川辺郡猪名川町の「道の駅いながわ」など直売所のほか、一部スーパーなどでも販売しています。