「大型書店や図書館でうまく絵本を見つけられない」「誰かに相談しながら絵本を選びたい」。そんな悩みを抱えている “絵本難民” にオススメしたい、素敵なお店を見つけました。

タイムスリップしたようなレトロな通路に絵本が見えたら到着です

お店の名前は『絵本屋かささぎ』。8月31日にオープンしたばかりのお店で、阪急王子公園駅、JR摩耶駅から10分ちょっと歩いた先にあります。

正面のメインテーブルにはおすすめの絵本がラインナップ

「絵本はいくつになっても、何十年と間隔があいても良いもの」。そう話す店主も大人になってから絵本にハマった一人。「何度でも読めて、人によって感想が違うことも面白い」とどんどん絵本好きになっていったそう。

「きみの行く道」1,870円（税込）

店主が絵本を好きになったきっかけは、中学校で教員をしていたとき出会った校長先生。卒業式の式辞で「きみの行く道」という絵本を読み聞かせていた光景に衝撃が走ったそうです。

そこから自分で絵本専門店を開くまで絵本にハマるなんて、よほど大きな感銘を受けたことが伺えます。確かに、新しい一歩を踏み出す生徒に絵本で言葉を送るなんて素敵な校長先生ですよね。

「しろくまちゃんのホットケーキ」や「からすのパンやさん」は何十回と読んでいるかも

絵本は年齢順にまとめられており、店の左奥に0歳から順に反時計回りでレイアウトされています。絵本の王道作品もあれば小説の表紙のようなミステリアスなものも発見できるラインナップに、大人も心が躍ります♪

ちらっとオードリーのポスターが（笑）お店には少しですが店主の趣味のコーナーもありますよ

書店って迷路のようで子どもを見失いがちですが、死角がない同店は親も子も思う存分絵本に集中できます。子どもが座って絵本が読めるよう少しですが椅子も置いてあって、心遣いが嬉しいですね。

同店をすっかり気に入ってしまった筆者。店主におすすめの絵本を教えてもらいました。

「みえるとかみえないとか」1,540円（税込）

まずは子ども向けからお願いすると、「みえるとかみえないとか」（作：ヨシタケシンスケ、絵：伊藤亜紗）という絵本を紹介してくれました。

宇宙飛行士のぼくが、目が3つあるひとの星へ降り立ち、自分とは違う個性を持った人たちと交流するお話で、ヨシタケさんらしい、多角的なものの捉え方はある意味新鮮さも感じます。物語に出てくるキャラクターがそれぞれ違う個性と出会った時の反応はクスッと笑えたり、「そう感じるんだ～」と発見もあったりで面白い♪

「かないくん」1,760円（税込）　

こちらの「かないくん」（作：谷川俊太郎、絵：松本大洋）は、大人にもおすすめしたい絵本とのこと。「死」をどう捉えるのか。短い言葉で深く深く語りかけてくる絵本です。読む人やタイミングによっても捉え方が変化しそうな一冊。

「やっぱりおおかみ」1,100円（税込）

せっかくなので店主の好きな絵本を伺うと、持ってきてくれたのは筆者も大好きな絵本作家『ささき まき』さんの「やっぱりおおかみ」でした。

ひとりぼっちのおおかみが仲間を探す物語なのですが、個人的にはラストの締めくくり方がお気に入りです。

ゆったりとした時間が流れ、じっくり絵本と向き合える『絵本屋かささぎ』。みなさんも絵本の魅力を深堀しに行ってみてください。