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シンガーソングライター・阿部真央にインタビュー

8月21日にデビュー10周年第2弾シングルとなる『どうしますか、あなたなら』をリリースしたシンガーソングライター・阿部真央さん。NHKドラマ10「これは経費で落ちません!」の主題歌となる今作は「作品に寄り添ったタイアップ曲」でありながら、「阿部真央の曲単体としてもきちんと成立する曲」という2つのバランス・距離感が非常に取れた曲だと語る。そんな新曲に込められた想いや10周年を迎えた今の気持ち、9月から始まる弾き語りツアーなどについて話を聞いた。

応援ソングは
私自身が言ってほしい言葉を込めています


―今年デビュー10
周年を迎えられましたが、振り返ってみていかがですか?
2009年にデビューして、あの曲をあの年に出して、アルバムを作って、手術もして出産もして…と自分の人生のトピックを1つ1つ辿ると、自分なりにちゃんと濃密に生きてきたんだなと感じます。単に“駆け抜けた”という感じじゃないですね。これからもそんなに急ぐことなく、着実に歩いていきたいです。

―デビュー当時の心境は覚えていますか?
私は元々自分で曲を書いて、ギターを弾いて、自分で歌いたいと思っていたわけではなく、シンガーに徹したいと思っていたんです。でも高校生の時に遊びのような感覚でギターを始めて、曲も作り始めたんです。それを認めてもらって19歳でデビューしたんですが、嬉しくて浮かれるというよりは「いつまで続けられるかな」とすごく冷静で。何もかもに期待し過ぎないことで自分に予防線を張って、傷つかないようにしていました。

―まさか10年も続けられるとは思っていなかった?
そうですね。救いだったのは、私が普段“カッコイイ大人”と呼んでいる周りの方たち。一緒に仕事をする人たちに本当に恵まれていたし、今もそう感じています。そして何よりずっと支えてくれたファンの皆さんの存在があったからこそ、何度かスランプに陥りつつ一度も「やめよう」と思ったことはありません。

―阿部さん自身にスランプや悩みがあったからこそ、阿部さんの楽曲には聴く人を力づけるパワーがあるのかもしれませんね。
そうだと嬉しいです。応援ソングや皆さんに「パワーをもらいます!」と言ってもらえる曲ってもちろん皆さんに向けて歌っているんですが、やっぱり自分が言ってほしい言葉というのがベースにありますね。

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―10周年第二弾シングルとして8月21日にリリースされた『どうしますか、あなたなら』。皆さんが共感できるような等身大の歌詞が印象的でした
今作はNHKドラマ「これは経費で落ちません!」の主題歌として書かせて頂きました。タイアップ曲を書くときはいつも、タイアップ先の作品にちゃんと寄り添いつつ、阿部真央の曲として単体でも成立するものを作ろうと心掛けています。作品とかけ離れてもダメ、逆に主観が強くてもダメ。今回はその理想にかなり近い形で、満足いく曲が書けました。

―制作前に、原作の小説やコミックなどを読み込んだとのことですが、初めて読んだ時の印象は?
良い意味で軽やかな作品だなと。大きなダイナミックスとか物語の波はないからこそ非常にリアルで。世の中にはサクセスストーリーとかドラマチックな出来事より、平坦な日常のほうが溢れていますよね?そこを切り取っている作品なので、読みやすくて面白く、親近感が湧きました。読んでいると、主人公の森若さんという女性の完璧主義さだったり、自分の理想を目指し過ぎるが故にがんじがらめになっているところにすごくシンパシーを感じて。歌詞にもある「完璧な自分を諦める勇気」というテーマを深掘りして書き進めました。

―完璧主義の女性にとって、「諦める」というのはすごく大きな決断ですね。
そうですね。完璧主義って、裏を返せば今の自分に自信が無いということだと思うんです。まさに私のこと。だからこそ「完璧な自分を諦める勇気」の後に「ダメな自分も愛せる生き方を」と歌っていて。完璧じゃないことを認めてあげれば気持ちもラクになるし、今よりもっと良い景色が見えるよという想いを込めています。

―最近、阿部さん自身が「諦めてラクになったこと」はありますか?
ズバリ今日の眉メイクですね(笑)。描いて気に入らなかったら、昔の私なら全て落として、ベースメイクからやり直していたと思うんですが、それってツライんですよね。でも私も大人になったので、今日は「決まらないな~、まいっか!」ってすぐに諦めました(笑)。迷っている時間が無駄なので、けっこうスパッと決めて次の行動に移ります。