円山応挙一門のふすま絵が残る
大乗寺で写経・写仏体験
2日目。まず向かうは、天平17(745)年に行基菩薩によって開かれた高野山真言宗のお寺『亀居山 大乗寺(だいじょうじ)』。樹齢約1200年のクスの巨木を見上げながら石の階段を登り山門をくぐると、緑に囲まれた山門・客殿・本堂・薬師堂・鐘楼が姿を現します。
大乗寺には、江戸中期の画家・円山応挙(まるやま おうきょ)やその一門の画家たちのふすま絵などがたくさんあることから「応挙寺」の名で親しまれています。
貧しい農家で生まれた円山応挙がまだ無名の頃に、当時この寺の住職・密蔵上人(みつぞうしょうにん)がその才能を見い出し、学費を援助。後に息子や弟子を連れてこの寺に戻り仏間他13余りの部屋の襖絵を描いたといわれているそうです。客殿13室に障壁画として165面も描かれ、すべて国の重要文化財に指定されています。
「孔雀(クジャク)の間」のふすま絵は、16枚の金箔地ふすまに水墨で孔雀と松を描いた大作。応挙はこの作品を描きあげたわずか3ヵ月後、63歳で亡くなったそうです。客殿の障壁画はその空間自体が宗教的意味をもった立体曼荼羅と言われ、計算しつくされた配置で絵画が地域や建物と渾然一体となっています。
それぞれの絵についてお寺の方のわかりやすい説明を聞きながら、約40分かけてまわります。絵画としての芸術性だけでなく、それらがつくる障壁画空間の素晴らしさを感じることができます。
そして大乗寺では、仏さまのお姿を描き写す「写仏(しゃぶつ)」やお経を書き写す「写経(しゃきょう)」、着物体験(要予約)といった体験もできます。線・文字をなぞるだけなので誰でも気軽に挑戦でき、姿勢を正して心静かに安らぎのひとときを過ごせます。木の葉がそよめく音、鳥の鳴き声など自然の音にも耳を傾けてみてください。
名称 | 亀居山 大乗寺(応挙寺) |
住所 | 美方郡香美町香住区森 860 |
開館時間 | 9:00〜16:00(最終受付15:40) |
内拝料 | 大人800円、小学生500円 |
TEL | 0796-36-0602 |
公式サイト | http://www.daijyoji.or.jp/main/ |