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ワンマンショーツアー2019『PURPLE DIAMOND』より、及川光博にインタビュー

平成と令和をまたぐワンマンショーツアー『PURPLE DIAMOND』。イメージカラー“パープル”から連鎖して生まれたキーワード「社交ダンスパーティー!」をコンセプトに、セクシーでエレガント、煌びやかなショーを繰り広げている。歌はもちろん、ホーンセクションを生かしたジャズテイストのアレンジや軽やかなダンス、「愛と哲学の小部屋」と銘打ったトークコーナーなど見どころ満載。デビューから23年、ミュージシャンとしての活動をはじめ、映画やドラマなどでも華々しく活躍する“ミッチー”こと及川光博さんに話を聞いた。

ベイベーたちに「愛しい」という
気持ちが芽生えています

―3月からスタートしているワンマンショーツアー『PURPLE DIAMOND』。今回はイメージカラーがパープル、コンセプトが「社交ダンスパーティー!」ということですが、このコンセプトに至った経緯を教えてください。
毎回イメージカラーを設けているんですが、今回は紫ということで「紫、色っぽい、アダルト、エレガント…」と自分の中でキーワードを並べていったときに、‟ロングドレス”に辿り着いて。さらにそこから「ロングドレス…と言えば?」と自分に問いかけたんです。そこで、僕のショーのイメージとしては“おとぎ話のお姫様”というより「もっとアダルトなムードで音楽性も含めて整合性のとれた世界だな」って考えて、ボールルームダンス、すなわち社交ダンスというところに行き着きました。ずっと頭の中で「ああでもない、こうでもない」と悩みながら、そういうパズルを組み立てているような男です(笑)。

―表面的な部分だけではなく、核となる部分まで細かく及川さん自身が考えて組み立てられているんですね。
「次のツアーは紫で行く」っていうのはビジョンとしてずっと浮かんでいましたし、今年はショーでニューアルバムを発表・お披露目するということが主な目的ではないので、ことさらに視覚的なイメージから作りました。そういった演出プロデュースも僕の大切な仕事。「及川光博とは?」という問いがあるとすれば、ミュージシャン、俳優、プロデューサーというところですかね。

―そのイメージの着地点が、今回は「社交ダンスパーティー」だったわけですね。
そうなんです。僕はステージで映像を使うこととか、大スクリーンで、セットを組んでCGを映し出すということは先に考えなくて。イメージの中には、舞台演劇の要素が常に漂っています。今回はブロードウェイや古き良きビックバンドジャズのステージに近いものという、ぼんやりとした世界観から徐々に明確にしていく作業でした。

―現在(5月末時点)ちょうど折り返し地点に差し掛かっていますが、手応えやファンの皆様の反応はいかがですか?
今回はコンセプトがはっきりしている分、ベイベー(ファン)たちも即座に演出意図を把握して反応してくれるんです。ベイベーたちの参加意識の高さこそが最も不可欠なパワーなので感謝の気持ちが毎回溢れるのはもちろん、皆に対して「愛しい」という気持ちが芽生えています。調子に乗せれば僕も気持ちよく乗っかりますし、よりショーも盛り上がって、結果的にベイベーたちの喜びに繋がる。そんなキラキラの笑顔であふれた客席を見ている僕もさらに幸せ。つまり、愛がループするんです。きれい事のようですけど、僕のワンマンショーはそれを実現する集合体になっていますね。

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―歓声の大きさや息の合ったコール&レスポンスを見ていると、「愛がループする」という表現が当てはまりますね。
笑っちゃうくらい、泣けてくる。一体感がすごいですね。デビューから23年という長い長い年月をかけて作り上げてきた空間だと思います。毎回、初めて僕のショーに参加する初心者ベイベーたちの唖然とした顔ったら無いよね(笑)。その緊張をトークで解きほぐして、お互いの心の距離を縮めていくという作業を僕自らがするわけです。僕のステージは、音楽を演奏して、それを皆さんに聴いていただく…という空間ではもはやないですね。だから「コンサート」って言ってこなくて良かった!デビュー当時からずっと「ワンマンショー」と謳っているんですが、それで正解だったと思います。

―歌って聴かせるためだけのステージではないと。
音楽を発表するだけの会ではありませんね。自分でハッキリ言ってどうするんだって感じですけど、僕の喋りも長いですし(笑)。結局僕もお客様との会話を欲しているんでしょうね。反応があってこその表現活動ですから。だから僕は山に籠って、黙々と土をこねて、窯で陶器を焼くっていうタイプの芸術家では全くないです。褒められないと伸びないし、調子に乗せてくれないとやる気が起きない(笑)。わがままなようですけど、レスポンスありきの努力家です。

―今回で言うと「紫」という1つのイメージカラーを設けることで、そのレスポンスが濃くなって一体感も強くなっていますね。
そういったテーマカラーとかドレスコードがあることで、参加する意識が高まってより素敵な思い出になるし、当日までのワクワク感や高揚感も含めて『PURPLE DIAMOND』というショーだと思うんです。わかりやすく言ってしまえば“デート”。他人事と思わず、自ら楽しもうという気持ちがトキメキや感動を生むのだと思います。