今年は全国19カ所を巡るツアーや、“泣ける”配信シングルの4ヵ月連続リリースなど、例年に勝る充実した活動で駆け抜けたポップロックバンド・wacci。さらに、その集大成であり、新たなwacciのカラーを随所に見られる3枚目のアルバム『群青リフレイン』を11月7日に発売した。「今、この歳で“青”を歌うことに意味がある」。そう語る自信作に込めた想いとは――。ボーカル&ギターの橋口洋平さんに聞く。
今すっごい青春してんな~って思うんです(笑)
―ニューアルバム『群青リフレイン』。wacciの今年1年の活動が凝縮された内容になっていますね。
そうですね。今年4月に配信したシングル「wallflower」や7月から10月まで4ヵ月連続でリリースした配信シングルも全曲収録しました。でも全てアルバムを見据えてのことだったので、1曲ごとに都度作業に追われるというよりは、「この中からどの曲を配信しよう?」という感じだったので、追い込まれることなく気持ちがすごく楽でしたね。
―タイトルにはどのような想いが込められていますか?
青って、「青春」とか若さを象徴する表現に使われがちですけど、もしかしたら大人になっても無くなるわけじゃなくって、常に自分の持っている「青」を磨いて、価値のある青…つまり“群青”に育てていくんじゃないかと。実際僕らも20代後半で出会ってバンドを組み、デビューして6年ほど経ちましたが、「今すっごい青春してんな~」って思うことがよくあって(笑)。それと、これまでのアルバムタイトルが『日常ドラマチック』『感情百景』なので、群青って響きも良いなと思って付けました。青春を繰り返すという意味が込められたアルバムを、皆さんにも繰り返し聴いてもらえたら最高です。
【ワンセット】
【別の人の彼女になったよ】
【空に笑えば】
―3枚目のアルバムで改めて“青春”をテーマにするというのは、どこか新鮮さもありますね。
今だからこそ客観的に「青春」というものを捉えて、冷静に書けたのかなと思います。若い頃…一般的な意味での青春真っ只中の頃は気付けなかった自分の想いもきちんと整理して、臨めた歌もあって。収録曲「空に笑えば」という曲なんて、まさにそのもの。この夏、甲子園(第100回全国高等学校野球選手権)の動画にこの曲を合わせてSNSに投稿する…っていうのが少し流行ったのも、皆さんが自身の青春模様にこの曲を重ねてくれたのかなと思っています。