―セリフも関西弁だからこそスッと入ってくる感じがしました。
以前の作品で別の出版社の方に「いいことを言っているのに、セリフが舞台ががってて入ってこない。セリフを読んでいる感じがする」というアドバイスをもらったことがあって。なんでだろう?って考えた時に私が普段話している言葉じゃないからだと気づいたんですよね。なので今回は関西弁にしました。自分でも心情を表現しやすくて、伝わるって言ってくださる読者の方も増えた気がしますね。たまに口に出してみて、字面が可愛いだけで選んでないか?リズムがおかしくないか?など確かめながら描きました。
―個人的な感想ですが、作中で今まで抱えていたものをぶつけて「今までよくがんばりましたね。好きなことを信じて続けてくれてありがとう」と声をかけてもらうシーンが一番グッときました。
好きなシーンなのでそう言ってもらえて嬉しいです。こんな時に一番言って欲しい言葉はこれじゃないかなって思いながら描いていました。編集の担当の方にも褒めてもらったシーンでしたね。
―この物語を通して社会に伝えたいことがあるように感じました。今後、まだまだ描きたいなと思っている物語はありますか?
編集の担当の方にもそのようなことを言われて…自覚はなかったのですが、私も人なりにいろんなことを思って生きているんだなと(笑)。私にとってその思いを表現しやすいのが漫画だから描いているのだと思います。今後も女性の性・愛とはまた別の悩みや傷について描いていきたいなと思っています。
―神戸やラジオ局をテーマにした漫画もぜひ描いていただきたいです!
描いてみたいですね!ぜひその時はKiss FM KOBEさんで取材させてください!(笑)
―もちろんです!本作では「オトナ女子の成長」がポイントになっていますが、切畑さん自身「大人になってから成長できたな〜」と思うことはございますか?
仕事の面で職場の方に相談や愚痴が話せるようになったこと。今までは言えなくて一人で悩んでしまい、会社を辞めたこともありました。アニメの会社で自分より絵がうまくて忙しい方に話しかけるのは仕事の邪魔になると思って言えなかったんです。でも辞める時に「なんで相談してくれなかったの?」って言われて、その時に「相談して良かったんだ…」と気づきました。今はそんな遠慮をすることはなく、言いたいことは言うし、相談もすぐできるようになりました。
―今のお話を聞くと切畑さんの性格が少し、主人公の野仲さんの性格にも反映されている気がしますね。
考えすぎてしまうところは特にそうだと思います。
―逆に「まだまだ成長できていないな〜」と思う部分はありますか?
上手に休めないことですかね。一回仕事をやり始めると止まらなくなって、漫画を描きながら寝落ちしちゃったり3日間連続で徹夜とかしちゃうんです。良くないのはわかっているんですけど、気づいたら朝になっている感じでなかなか改善できません(笑)。休むことも仕事だと思ってちょっとずつ改善しようとは思っています。
―仕事の合間などで行うリラックス方法はありますか?
猫を飼っているので一緒に遊ぶことですかね。
―猫を飼われているんですね!
めちゃくちゃ甘えん坊でべったりなんです。可愛いですよ〜!溺愛しちゃっています。絵を描いている時も毎日のように邪魔されるんですけど、またそれが可愛いっていう(笑)。あとは気分転換に編み物もしますね。
―どんなものを編むんですか?
今は刺繍糸で作る小さい動物のマスコットにハマっています。
―漫画でも動物のマスコットがキーポイントになっていましたね!
そうです!もっと小さいサイズなのですが、クマちゃんとかお弁当の具を作ったり遊んでいます。
―最後に…いつもKiss PRESSをご覧いただいているということでありがとうございます。
めちゃくちゃ読んでます!神戸国際会館のそらガーデンにあるTOOTH TOOTHさんのお店もKiss PRESSを見て知りましたし、キラキラしたパフェとかスイーツ系の記事は絶対読んでいます。姫路方面はあまり行ったことがないので、コロナが落ち着いたら行ってみたいなと思っています。
Kiss PRESSのために素敵な色紙を描いてくださいました!切畑水葉さん、本当にありがとうございました!
阪急タイムマシン
「絶対、一生許されない」幼馴染みとの再会から始まるオトナ女子の成長物語
編み物が好きな野仲さんの悩みは親しい友人がいないこと。そんな彼女は、通勤中に大好きだった幼馴染のサトウさんと再会するのだが…。共感必至、全女子に贈る同性の友情の難しさと楽しさを描いた成長物語。
出版社 | KADOKAWA |
著者 | 切畑 水葉 |
発売日 | 2021年6月8日 |
定価 | 726円(本体660円+税) |
購入 | Amazon |
試し読み掲載 | COMIC BRIDGE |
公式Twitter | 切畑水葉(@uzunyan620) |
切畑 水葉
兵庫県宝塚市生まれで、現在も在住。2018年1月に「ゼロサムオンライン」にて「草かんむりと嘘つきの庭」(一迅社刊)でデビューし、後に単行本化される。阪急電車を舞台にオトナ女子の複雑な想いと関係性を描いた「阪急タイムマシン」(KADOKAWA刊)が話題に。他既刊は「春の一重」(一迅社刊)などがある。商業媒体の他、創作同人誌イベントCOMITIAでも活動。