沖縄戦争体験者が描いた絵から読み解く「戦争の悲惨さ」
関西国際文化センターで企画展示「NoMoreWar!いくさやならんどー -沖縄からのメッセージ-」開催 神戸市PR
『関西国際文化センター』(神戸市中央区)で、8月24日より開催されている企画展示「NoMoreWar!いくさやならんどー -沖縄からのメッセージ-」。戦争の悲惨さを知り、平和への思いを深める展示となっています。期間は12月22日まで(開催は土日・祝日のみ)。
同企画展は宗教団体「創価学会」が主催するもの。沖縄が歩んできた歴史を紹介するパネルのほか、沖縄戦の体験者が描いた絵を約50枚展示しています。
同団体は平和活動の一環として、沖縄戦の体験者にその悲惨な体験を「絵」で表現してもらう取り組みを実施。来年、終戦から80年という大きな節目を迎えるのにあたって、企画展の開催が決定しました。
1階では、琉球王国の歴史や戦禍の様子をパネルで紹介。太平洋戦争で唯一地上戦が行われ、その状況はアメリカ軍の戦史に「ありったけの地獄を集めた」と記されるほどだったといいます。
パネル内には、沖縄戦を前に行われた無差別爆撃で被害にあった三宮の写真もあり、戦争が決して他人事ではないということを感じられるでしょう。
4階では、沖縄戦の体験者が描いた絵を「疎開」「本島上陸」など7つのテーマで紹介。絵にはその状況を説明したキャプションもつけられています。
描かれた情景の鮮明さと迫力、伝わる悲しみは言葉を失うほどです。その絵に描かれた情景が体験者の目の前で繰り広げられていたのかと思うと、憤りすら感じられました。
多くの絵の中でも、特に注目すべきは戦争当時7歳だった宜保新一(ぎぼ・しんいち)さんが描いた3枚の絵。
宜保さんは現在も戦争の残酷さや平和の尊さを訴える活動をしており、会場ではその話をまとめた映像も見ることができます。
沖縄本島南部へ避難する途中、砲弾が爆発し自分も親戚も負傷したこと。空や沖から”鉄の暴風”が降り注ぐ中、死体を踏み越えて逃げざるを得なかったこと。連れていかれた収容所での体験。
そのどれもが、当時7歳の記憶とは思えないほど鮮明で強烈なものでした。
担当者によりますとこれだけ多くの絵を集めるに際し、宜保さんをはじめ多くの体験者が「戦争を思い出すこと」への苦しみを持っていたといいます。
そんな中でも絵を集め続けた理由は「米軍が残した”記録”からではなく、体験者が残した資料から戦争の悲惨さを伝えるため」だったそうで、現在では700枚ほどの絵が集まっているのだとか。
さらに会場では「沖縄戦の紙芝居」も展示されており、その体験をより深く感じることができますよ。
叫びが聞こえるような絵を見ながら、悲惨な当時を想像すると共に、この先誰もこんな情景を目にすることがないように、と願う時間を過ごしました。展示を通じて、改めて平和の大切さを考える機会にしてみてはいかがでしょうか?
詳細情報
- 開催期間
- 2024年8月24日(土)~12月22日(日)の土日・祝日のみ
- 場所
- 関西国際文化センター
(神戸市中央区浜辺通6丁目3-16)
Google マップ - 時間
- 10:00~17:00(入場は16:30まで)
- 入場料
- 無料