★この作品を作るいきさつは？

能野：以前、「Midnight Bankrobbers」（ミッドナイト・バンクローバーズ＝チバユウスケ、イマイアキノブのロックユニット）はインストとかもあって、とても映画にあう楽曲を作っていたんですが、「SNAKE ON THE BEACH」も同じく映画に合っている音楽で、「この音楽で何かできたらいいな」と思っていたら、こうゆうことになりました（笑）。
もちろんいろんな人に相談してやりたかった部分はあるんですが、一人でイメージが膨らんできて、勢いで無謀な脚本も書いたりしましたが、たくさんの周りの人のおかげでここまで出来たことは感謝したいです。

★村上さんは、この映画のオファーをもらっていかがでしたか？

村上：ノーヤンとは僕が十代の頃からの付き合いなんですが…
あ、他の監督にはちゃんと監督って言うんですが、ノーヤンはノーヤンなんです（一同笑）。
僕の役者のあり方をノーヤンが信じて、僕を選んでくれたんだと思います。でも、あのミッシェルガンエレファントを時には熱く、時には冷静に見守っていた、チバユウスケの音楽が好きなノーヤンが、本気で映画撮るっていわれたら、そりゃ即答で「出る」って言いますよ！
僕に声をかけてくれたことは光栄でしたし、このアキラって役は他にもできるかもしれませんが、他の人がやっていたら、悔しがっていただろうなと思うんです。
チバくんの音楽がここまで使われていて、それだけでも最高なのに、みんなイキイキと芝居もしているし、夢があって僕はこの映画が好きです。
しかも４９歳の新人映画監督ですよ！そんなアーティストのマネージャーが本気で映画を撮ることにみんなも賛同して。まさかの風吹ジュンさんまでもですよ！知り合いだけで作ろうとしない心意気が好きなんですよ。そんなところが格好良いじゃないですか！そしてそれに答えてくれる人脈。それって宝じゃないですか。
そんな心意気が集まった作品なんです。映画ってそうゆうのが見たいんじゃないかなと思います。
上手くやろうというより、俺はこれを伝えたいと言う強い思いですよね。

★脚本を作るうえで難しかったところは？

能野：こうすれば良かったかなと思うところもありますが、まぁ、よくできたほうかな（笑）能書きが多いですが。

村上：監督は能書きって言いますが「思い」なんです。その「思い」も書いてますが、言葉にできなから映画にしたいんだと思うんです。本でも絵でも出来たかもしれないですが、映画がそれに最適なんだと、僕もこの作品で再確認しましたね。

★映画に出てくる音楽のシーンのイメージは始めからあったのでしょうか？

能野：いろんな曲が入っていく中で徐々に固まっていったのですが、始めとエンディングはイメージがありました。１００％再現はしてませんが、ほぼあんな感じです。そして自分の好きな要素をぶち込んでいきました。「たき火」とか「ピストル」とかね。

★主演の新井さんについては？

能野：新井くんだけではないんだけども、キャスティングではいろいろ悩みつつも一番大事な健とアキラは「新井くんとムラジュンだ」と思った時に何か全部見えた気がしたんです。今回は荒井くんが「健」をやって広がる世界を期待しました。遼明は最初に決まっていました。

村上：新井くんはどの作品にもたくさん出てるじゃないですか？それってスゴいことで、そんな役者は本当にマレな人なんですよね。僕は新井くんと何度か共演していますが、彼は脚本をしっかり読みますね。で、主演とは何かをしっかり把握している役者さんです。彼と出る時はうそではできないです。いい加減なことはできないです。

★最後にメッセージを。

村上：とっかかりはチバくんの音楽でいいんですが、芝居もしっかり見れる映画です。
ノヤーンが今しか撮れない「蒼さ」を作っています。
女性から、若い子も、特に映画好きな人まで見てほしいです。

能野：ムラジュンが出てくれたおかげで、他の役者が光ったし、うまくやってくれたと思います。
新井くんは最初強面な感じでいるんだけども、自分なりに解釈して演技してくれてるので、チャーミングな部分や男の成長を表現してくれたと思います。あとは、好きな映画には格好いい曲が流れていると思うので、両方楽しんでもらえたら。
映画館で流れるくらいの爆音で音楽も楽しんでほしい。そうじゃないと、伝わることも伝わらないです。音は素晴らしいと思いますよ。