新開地に来たら外せない！伝統に裏打ちされた確かな美味しさ

御菓子司『福進堂』に行ってきました　神戸市兵庫区

掲載日:2023/2/14

新開地商店街にある神戸きっての老舗和菓子屋さん、『福進堂』に行ってきました。
新開地駅から海側に歩いて3分ほどの場所　
兵庫大仏の前で昭和8年に創業し、現在の新開地の店舗に移ったのは昭和26年とのこと。大きなネオン看板が当時の華やかな時代を彷彿とさせます。

『福進堂』といえば楠木正成公が描かれた「瓦煎餅」が有名で、湊川神社にも納品されており、祈祷土産などにも用いられています。
ずらりとお菓子が並ぶショーケース
その「瓦煎餅」を自転車で大阪まで売りに行っていたという初代から数えて、今は三代目の石橋直樹さんが奥様の有江さんと一緒にお店を守っています。
「瓦饅頭」150円（税込）
朝早くから手焼きされる「瓦饅頭」も昔から愛されているお菓子。北海道産の小豆を使用したこし餡が美味しさの秘密です。

「自家製あんこの味には自信があります。粒あんには美瑛の『朱鞠（しゅまり）小豆』を使っており、皮が薄く柔らかいので口当たりがいい。こしあんには香り高い『えりも小豆』を選んでいますが、出来によっては変えることも。あんこの命である小豆には、とことんこだわっています」とのこと。自慢のあんこを味わうべく、まずは「瓦饅頭」をいただきます。
あんこがぎっしりでずっしり
表面の香ばしさは手焼きならではの懐かしい匂い。ふわっと柔らかな生地の中には口どけの良いこしあんが詰まっていて、きめの細かさと小豆の優しい甘さにほっこりします。
「いちご大福」400円（税込）
次に「いちご大福」もいただきます。包みをはがすと、もう苺のいい香りが。「プレミアムあまおう」の断面では、その大きさと色鮮やかさに目を奪われます！
プレミアムの名が付く大粒の「あまおう」
口にすればじゅわっと果汁が飛び出し、強烈な甘さの中にある微かな酸味が爽やか。それを引き立てるべく餅とあんこは薄く少なめで、そのバランスの妙に老舗和菓子店の技と品が窺えます。
笑顔が素敵な石橋有江さん
一方、新商品の開発にも余念がなく、「私自身が食べたいな、こんな味はみんなに喜んでもらえるかな、と常に考えています」という有江さん。彼女のアイデアによる代表的なお菓子が「バターカステラ」。
「バターカステラ」1,300円（税込）
雑味のない「よつ葉バター」をふんだんに使ったカステラで、しっとりとしたスポンジにバターの風味をしっかり感じます。底面にあるグラニュー糖のざらりとした舌触りと甘さは、本来のカステラの魅力を継承。バターの風味を閉じ込めているので、都度カットしながら食べるのがオススメだとか。
「バターサンド」はラムレーズン、抹茶、チョコの3種類　各300円（税込）
同じく新商品の「バターサンド」は、厚みのあるクッキーにホワイトチョコレートを混ぜたバタークリームをサンド。空気を含んだサクサクのクッキーは、時間が経つにしたがってクリームの水分が移り、しっとりとした食感への変化も楽しめます。
濃厚なバタークリームの美味しさを堪能
これらは、某一流洋菓子店出身の職人さんによるものだそう。代々続く和菓子の味を守りつつ、時流に沿って新たな挑戦を続ける『福進堂』に目が離せませんよ。