食べる人も、作る人も幸せな気持ちになる“おはぎ”
戎参道(えびすさんどう)『君栄堂本舗』に行ってきました 西宮市
えびす様をおまつりする神社の総本社で知られる西宮神社。その門前町として栄えてきた西宮中央商店街は「戎参道(えびすさんどう)」と呼ばれ、その中にある『君栄堂(きみえいどう)本舗』は創業102年を迎える老舗和菓子店です。
店頭にはやよもぎ餅やおはぎ、練り切りなど10種類ほどの生菓子が並びます。毎日のように来てくれる人、仕事帰りのお父さん、お小遣いを持って訪れる子どもたちを、店主の木地さんと奥様がやさしい笑顔で迎えてくれます。
人気の「幸せおはぎ」は、以前はお彼岸とお盆だけの限定販売でしたが、それまで待てないというお客さんのリクエストにより昨年から定番商品に。
ほんのりとした塩気を感じる餅米に粒あんの甘さが引き立つやさしい味は、思わず“ふふっ”と笑顔が。そして、何日か経つとまた食べたくなってしまいます。
それゆえに売り切れることもしばしば。お二人には忘れられない思い出があり、いつも買いに来る男性が来た時に店頭のおはぎがなく、とてもがっかりされたそう。
そこで、まだ材料があったので特別に大きなサイズのおはぎを作ってあげたところ、大喜びされました。その幸せそうな笑顔に自分たちも幸せな気持ちになったのだとか。
おはぎのほかに、近所の子どもが買うのはなんと「宮もなか」!渋い!西宮神社にちなんで、最中の皮は神社の巴紋(ともえもん)の形をしています。
餡は厳選された十勝産小豆を使用、砂糖の配合など、“もなか用”に炊き分けているそう。
こうして美しく仕上がったねばりのある餡は、注文が入ってから詰めてくれるので、皮はパリパリのまま最後まで美味しくいただけます。
昔話に出てきそうな栗の形がとてもかわいらしい「戎福栗」は、ごろんと大きな丹波の和栗の甘露煮をこし餡と白餡の二層で包んでいます。一つ食べるとお腹いっぱいになるくらい、ずっしり。
春夏秋冬、季節のお菓子を待っていてくれている人を思い出し、「お客さんのよろこぶ顔を思い浮かべながら幸せな気持ちになれる和菓子を作り続けますよ」と、語る木地さんの穏やかな目が印象的でした。参拝帰りに立ち寄りたくなるお店です。
詳細情報
- 店舗
- 君栄堂本舗
(西宮市馬場町4-28)
GoogleMapsで探す - 営業時間
- 月~土曜日 9:30~19:00
- 定休日
- 日曜日
- TEL
- 0798-22-1764
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