伝統とモダンの融合、一度食べると忘れられない和菓子
『舞の夢』に行ってきました 神戸市垂水区
神戸市垂水区本多聞に、手づくりの和菓子店があります。『舞の夢』は、手土産にすると必ずといってよいほど「どこのお菓子?」と聞かれる“美しくて美味しい”和菓子のお店です。地元の人をはじめ多くの人に長年愛される秘訣を知るため、取材に出かけました。
社長であり和菓子職人である高井さんは3代目。1952年、祖父が創業した『愛和堂』(板宿)が始まりだそうです。1991年に現在の地に移って31年、「舞子の地に夢のあるお菓子を」という思いのもと営業を続けてこられました。上生菓子やみたらし団子などは昔からの味を引き継ぎつつ、新しい味やアイデアを取り入れたお菓子も販売されています。
例えば季節の上生菓子は、伝統的な形を残しながらアレンジを加えたものも作られています。四季折々の風情が表現された美しい生菓子は、常に10〜13種類が並びます。美しいだけでなくなめらかな練り切り餡は上品で、どの世代にも食べやすい優しい甘さです。
「夢かぐや」は、ふんわりしているのに噛むともちもち、喉ごしはつるんとしていて、独特の食感と上品な味わいが人気の同店の代表作です。“ふわっ、もちっ、つるん”の正体は「麩まんじゅう」。味は2種類、青のりの風味が香る生地にはこし餡、ごま風味の方にはみそ餡が包まれています。生麩で作られた風味豊かな「麩まんじゅう」に、まろやかな餡がマッチして甲乙つけ難い美味しさ。私はいつもどちらか1つを選べなくて両方買って帰ります。
熊笹で巻かれているので、笹の豊かな香りも楽しむことができます。発売当初は暑い時期限定でしたが、リクエストが絶えないため現在は通年で販売されているそうです。
大きなシャインマスカットがごろんと一粒入ったぶどう大福も、季節の和菓子として人気です。求肥と餡に包まれたシャキッとジューシーなシャインマスカット。秋ならではの幸せを感じられます。シャインマスカットの味がよりはっきりと感じられる白餡と、餡の味も楽しめるこし餡、お好みで選べるのもよいですね。ぶどうの種類は時季によって変わるそうです。また、旬の果物を使っているため、季節が変わると中のフルーツも変わります。
『舞の夢』で販売されているお菓子は常時50種類以上、年間では100種類を超えるそうです。ショーケース内の和菓子は、高井さんと娘さんのお2人で手づくりされているとのこと。
機械で焼くことが多い「みかさ」の生地も、同店では1枚1枚手焼き。一度に10枚しか焼けないのだそうです。これだけのものを毎日店頭に並べるのは大変なことでは?と思いたずねてみると、「体だけは丈夫なので」とにっこり。
多くを語らない職人さんの内に秘められた情熱と、丁寧で繊細な手仕事を感じられる和菓子の数々。「手ごろな値段で買えて、また食べたいと思える和菓子を作り続けたい」という高井さん。「受け継いできた歴史を長く繋いでいけたら」とも話されていました。
地元の人たちに愛されているだけでなく、手土産や贈り物で同店を知ったという人たちが遠方からわざわざ買いに訪れることもあるそうです。一度食べたら忘れられない和菓子。私も『舞の夢』ファンの1人として、いつまでもこの味が楽しめることを願います。
詳細情報
- 住所
- 舞の夢
(神戸市垂水区本多聞3-5-23 本多聞ハイツ1F)
GoogleMapで探す - 営業時間
- 9:30~18:30
- 定休日
- 火曜日
- TEL
- 078-785-7818
- 舞の夢 公式サイトhttp://mainoyume.jp/
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