主役の桜井役を演じられた堺雅人さんと内田けんじ監督です！

堺：みなさんこんな大変な日に…！大丈夫ですか？？
我々も今日こちらに東京から伺っていますが、無事に来れて良かったです。
作った映画が皆さんに届いて、皆さんの熱気や雰囲気を感じる事が出来て、役者にとっては凄いご褒美をもらった気分です。フワッと蒸気したお顔をこちらから拝見できただけでも、この映画に参加して良かったと思っています。

内田：本当に今日は、とんでもない日にありがとうございます。
これだけの方が集まっていただけて嬉しいです。
主役の桜井とは全く違った堺さんのギャップを今日は楽しんでいただけたらと思います。

堺さん、本当に桜井はダメダメですね。演じていかがですか？

堺：そうですね（笑）。
でもこれが案外素だったりもするんですね。いろんな方に「下手なお芝居が絶妙ですね」と言われる度にちょくちょく僕の心の一番柔らかい部分が傷つくんです（場内笑）。
売れていない役者なんですが、純粋だし、楽観的に物を捉えるし、へんな思い込みがあるところなんか、僕は凄い良い役者だと思うんです。
「売れていない」という致命的な弱点はあるんですが、非常に好きだし、自分との共通点もあるので、とても素敵な役をいただけたと思っています。

内田：似ているとはちょっと意外ですね。でも最後のシーンでは「これを演じる役者がいるのだろうか？」と思ったほどですが、堺さんしかいないということに気づきましたね。
それから最初に車の中で写真を見て泣くシーンがあるんですけど、堺さんが演じたシーンを見た時、僕は初めて「あ！桜井ってこんなにバカだったんだ！」と思って、桜井という人物をその時つかんだ感じがしましたね。

堺：内田監督が前作の『アフタースクール』の演じていた人物より偏差値を30下げてほしいと言われまして（場内笑）。

内田：そうそう、そしたら35下がってたんだよね（笑）。
でも、衣装合わせの段階で、入れ替わった桜井での香川さんのバカさ加減が凄いんですよ。だから堺さんはそれに合わせないとダメなんですが、その写真のシーンでピッタリ合ったんですよね。

その他、身体をはらないといけないシーンが堺さんには多くありました。

堺：そうですね。香川先輩と裸になって（笑）。冒頭の銭湯のシーンは短いスピーディなシーンですが、一日かかってるんです。もちろんスタッフの方は着衣でしたけど、キャストとエキストラの方々はずっと裸でずっと待っていただいてて。

内田：湯船に半日つかっている方もいました。

堺：僕らは逆につかることもできず。泡立てるだけ泡立てて（笑）。

内田：香川さんがね、前貼りひとつで、アスリートみたいでした（場内笑）。

堺：スタート前のハイジャンパーみたいな

そして作品が進むにつれて香川さんとの一騎打ちのような感じになっていますね。堺さん撃たれてましたね！

堺：あれね、エアーガンのエアーの具合が微妙に不調で一回ものすごい痛い時があったんです（場内笑）。芝居にならないくらいに。

内田：あの時の演技は面白かったんで６回ぐらいやってもらったんです

堺：その度に撃たれて！弾が出なくなったら、小道具の人が半ばヤケぎみに、強力にしたら本当に痛くて（場内笑）。そんな楽しいこともありました。

いやいや大変じゃないですか！殺される練習のシーンも凄く香川さんにメソッドを受けられていましたね？

堺：でもあれは本当に「笑いをこらえるのが大変だった」と香川さんがおっしゃってくださって、非常に嬉しかったです。

内田：テストの段階ではなかったんですけど、本番で確か堺さんが「テメェ！」って上がってきて。あれが唯一のアドリブのシーンです（場内笑）。香川さんもスタッフもそこでグッと笑いをこらえたていました。

あーここがアドリブなんだと思いながら、もう一度ごらんいただきたいですが
ここでゲストが登場です。西宮えびす神社の前にあります西宮中央商店街のキャラクター「ふくみみ福ちゃん」です。『鍵泥棒のメソッド』はすでに大ヒットなんですが、さらなるヒットを目指して福を分けていただくためやってきていただきました。
＜ふくちゃん登場＞
みみたぶが幸運の場所で、そこを触ると鈴が鳴るそうです。後ほど触っていただけますでしょうか。
＜大きいからだのふくちゃんが小さい階段で舞台に上がるのを心配そうに誘導する堺さん＞

堺：この身体にこの階段…って無理がありませんか？
ああ！こうゆうことか！（ふくちゃんの耳たぶを揺らして鈴を鳴らす堺さん）

＜じわじわ後ずさりするふくちゃんが後ろに落ちそうになりみんなが警告＞

内田：落ちたら記憶なくなっちゃうよ！（場内笑）
堺：誰かと入れ替わ…僕がふくちゃんになってしまうかもしれないね（場内爆笑）

それはまた皆さん見たいかもしれませんが…ふくちゃん動かないでね、堺さんに気を使わせてどうするの！（場内笑）
＜記念撮影の後、ふくちゃん退場。恐る恐る舞台から降りるふくちゃん…＞

堺：どうしてこんな細い階段作ったんですか！ふくちゃんが来るのに！！（場内爆笑）

この楽しい舞台挨拶ずっと続けたいのですが、最後にメッセージをお願いします。

堺：本当に、全国で一番この映画を楽しみにしていただいた場所ということで、こちらに伺いましたが、その言葉に違わぬくらいのあったかい雰囲気をいただきましてありがとうございました。共演者の方々にも「西宮はあったかい場所でしたよ」とお伝えしたいと思います。
実は生まれは僕兵庫で（場内驚）舞子の公団住宅で２歳まで過ごしていて。
だからこの辺りは懐かしさはもちろん無いんですが（笑）機会あれば来たいと思っていたので、こうゆうお導きと言うかご縁と言うか、非常に嬉しく思っています。
これからもどうぞご贔屓に、またこちらの方にも伺いたいと思っております。今日は本当にありがとうございました。(場内大拍手）

内田：今日遠くから来ていただいている方もいらっしゃると思います。２回目という方もいて本当に嬉しいです。ぜひまたこのキャラクターたちに会いに来ていただけたらなと思います。じつは香川さんが面白いところで堺さんが微妙な顔をしていたり、編集していても飽きなかったので、細かいところもお楽しみください。本当に今日はありがとうございました。(場内大拍手）