山深くに建つ可愛い一軒家は夢のような雑貨の宝庫でした
雑貨店 「山櫻(やまざくら)」に行って来ました 南あわじ市
淡路島の南側・鳴門海峡大橋を遠くに望む山の中に、様々な生活雑貨を扱う雑貨店「山櫻」があります。開店から今年で16年目を迎えるお店に、今回はお邪魔して来ました。
南あわじ市福良港近くの海沿いの道路を走って山に入り、阿万地区にある「若人の広場公園」を過ぎると、「海釣り公園メガフロート」に向かう道沿いの右手側に見えてくる看板。目的のお店は、この看板が示す道をさらに下った先にあります。
細い道を抜けると、唐突にぱっと開ける風景。そこに建つ赤い瓦の可愛らしい一軒家が、雑貨店「山櫻」です。入り口付近のテラスには、たくさんの多肉植物とユニークなオブジェたち。テラスの向かい側には、一面の広い畑。山の上から巨大な風力発電の風車がのぞきます。同店のオーナー家族の自宅が隣接する以外は辺りに何もなく、とても静か。限りなく日常に近い非日常の、不思議な空間が開けています。
お店のドアを開けると、目に飛び込んでくるのは、とにかくたくさんの雑貨たち!物の多さとはうらはらに、整然とした飾り付けがとても美しい店内。思わず「わぁっ」と感嘆の声が漏れました。
「山櫻」店長の北川佳奈さんは、優しい笑顔がステキな、気さくな女性。小学生の頃から雑貨類が大好きで、おこづかいを貯めては食器等を購入し、家に遊びに来る友達と一緒に使うことを楽しんでいたとか。2006年6月ごろ、自分や家族の病気で仕事に通うことが困難になった時期があり、「それでは」と自宅の1室を店舗に改装し念願の雑貨店を開いたのが始まりだそうです。
現在の店舗は2013年8月ごろに新築オープンしたもの。今は北川店長をメインに、お母さん、娘さんの3人で店舗を営んでいます。お店がある一角は、店長のご先祖が昔拓いた土地なのだそうです。
この店のシンボルとも言える山側に大きく開いた窓は、北川店長の大のお気に入りです。たくさん並んだオブジェや植物の向こうに、先ほど入り口テラスで見た風景が見えます。
同店がメインに扱うのは、手作り作家によるアクセサリーや手芸品、陶器類、オブジェ等の作品です。こうした商品はすべて、北川店長が展示会やインターネットで見つけて気に入った物だとか。現在、約20名余りの手芸・工芸等の作家と取引をしているそうです。
神戸市の「Naoko Sewing Room」のソックモンキ―。愛らしい表情が何とも言えません。青い帽子がお似合いの大きな子に、カラフルなちびモンキーたちもいました。
岐阜県の作家「ricca*rocca」のリネン等を使った洋服は、シンプルなデザインが魅力。丁寧な仕立ての、着心地の良さそうなワンピースやブラウスが並びます。
「Filore(フィローレ)」のワイヤーとドライフラワー等で作られた繊細な作品たち。絶妙のサイズ感とデザインの可愛らしさで、いくつでも欲しくなります。
また植物類も充実。多肉植物好きの北川店長のチョイスで、他所ではあまり見たことのない植物の鉢植えや、オブジェのようなサボテンたちが棚の上にズラリ。
他にも70年代のデッドストック品の食器や文具メーカーのキャラクターグッズを集めた“レトロコーナー”や、淡路瓦で作ったアルファベットのブロック。おしゃれな古道具類に、まさかのカブトムシやクワガタ!ここまでバラエティ豊かな品物がにぎやかに、しかもセンス良く飾りつけられた店内の独特な雰囲気に、ほっこりと心がくつろぐ不思議な感覚を覚えました。
島の山中にぽつんとあるお店なのに、意外なことに島外から訪れるお客様の方が多いのだそうです。「インターネットで見つけてくれたり、近くの観光施設に行く際に看板を見て寄ってくれたり。本当にありがたいことです」と北川店長。「お客様が店内の様子や商品を見て『可愛い!』と言ってくださるのが何より嬉しいです。都会の騒がしさを離れて、自然に囲まれた店で、ゆったりとお気に入りを探す時間を楽しんでもらえたら」と笑顔で話します。
レジカウンターに置かれたタイル看板には、開店16周年を感謝する店長直筆のメッセージが書かれています。店長がご先祖の築いた場所で、家族とともに大切に育ててきた、他の何処にもないユニークな雑貨店。あの不思議な感覚に遭いに、ぜひまた訪れたいと思います。
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詳細情報
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- 雑貨店 山櫻
(南あわじ市阿万吹上町1388-2)
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- 火曜日、金曜日(臨時休業あり)
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- 0799-55-2024