このイベントは終了しました。
店舗を持たない菓子店ル・フルーヴが求めるもの
ショコラティエ上垣河大氏の工房「ルフルーヴ」に行ってきました 養父市
養父市の山奥の家に工房を構える「le fleuve(ル・フルーヴ)」シェフの上垣さんに話を伺ってきました。上垣さんは、これまで数々のメディアに取り上げられ、2020年にはICA(インターナショナルチョコレートアワード)を受賞されています。
訪問した日には来年のバレンタインに向けて新作の商品を作成中。夏にはレシピを決めて、秋には百貨店側へ販売するために必要な書類申請(原材料リスト、アレルギーなど)をし、OKがでたものをバレンタインに販売する為今から色んな試作を考え作られていました。
そんな上垣さんは2020年「ICA(インターナショナルチョコレートアワード)」にて、そばの個性的な風味を効かせた「そばプラリネ」や日本酒の華やかな風味が立ち上がる「杉樽日本酒ショコラ」、長時間熟成させたクロワッサンを加えてざくざくとした食感を演出した「クロワッサンプラリネ」のそれぞれのショコラが国際大会で受賞されています。
ICAとはInternational Chocolate Awardsの略で2012年にチョコレートレビュワーやフードアナリストらにより設立された全世界の優れたチョコレートを審査・表彰する団体です。そんないくつかのICAの定める様々な審査基準を経たショコラ2種(そばプラリネ・クロワッサンプラリネ)が入ったセレクションボックスは下の商品のお申込み欄より販売されております。
現在上垣さんは販売店舗を持たずに工房のみでチョコレートやお菓子を作られていますが、作る為に必要な素材の追及そして手法にこだわりをもって一つ一つ丁寧に作ることを心がけておられます。素材は上垣さんの父が循環型農業を基本とし、無農薬有機栽培の農園「麦畑自然農場」を営んでおられ小さい頃から父の手伝いをしながら暮らしていくなか学んでいかれたんだとか。
手法のこだわりとして最近ではチョコレートを豆から製法する事を実践されていて、スタートはベネズエラ産の少量豆からチョコを作ることに取り組み始められているようです。豆から作る事で制作の工程は増えてしまい時間がかかるけれど、ショコラへのオリジナリティの幅が広がるのだそうです。
こちらは、素材を大切に、味を追求して完成させた「仙櫻」。兵庫県養父市の銘酒『仙櫻』を使用したショコラになります。
日本酒である仙櫻は有機栽培した米とブナ原生林から湧き出る水を使い、かつて日本一のスズ鉱山として栄えた大屋町明延(あけのべ)鉱山の坑道跡にて約半年間かけてじっくりと熟成、時間が経つと共にまろやかでフルーティな香りへ変化していきます。
実際に食べてみると口いっぱいに優しい日本酒の香りが広がって一気に仙櫻のショコラの世界に入ってしまいます!また仙櫻の味をよりお楽しみいただける様お口直しに優しい味わいのプレーンタイプのミルクチョコレートを入れています。
そして今の新作、乳製品を使わない「ヴィーガンショコラ」。乳製品は水分と油分を乳化させる為のつなぎ役であり、本来チョコレート作りにおいてまろやかな味わいにする為の必要な素材になります。
上垣さんはボンボンショコラを作るにあたり、乳製品があってこそまろやかに仕上がることは分かっていましたが、同時に“素材の香りを邪魔をしている部分があるのでは?”“チョコ本来のおいしさが隠れてしまうのでは?”という課題に直面しました。
やがて研究を続けていく中、乳製品の代用として「大豆」を使うという独自の考えにたどり着きました。大豆は自然の乳化作用がある(天然由来の乳化材)大豆レシチンが油と水を均一に混ざりやすくし、水分と油分の分離を防ぐだけでなく、食感を滑らかにしてくれるそうです。
そんな効果を利用し、チョコレートを食べる事を諦めてしまう乳製品のアレルギーの人たちが我慢する事なく食べられるもの、しかもあんまり美味しくないけど、乳製品使ってないからと我慢して食べるよりは本当に美味しく食べられる物を「ただ美味しいから」と食の制限を気にせず食べてくれる風がいいなと一緒に食べる人たちの中でヴィーガンであってもそうでなくてもお互いに気を使わず一緒に味わってもらえたら嬉しいと話されていました。
食べてみると乳製品を使っていないなんてわからないくらい、口どけがよくそれぞれの素材の味が楽しめる一粒となっていました。そして一緒に付いてるチョコレートの説明を読みながら一粒ごとに世界観が変わっていくチョコレートに贅沢なひと時を感じていました。
それぞれご紹介しましたチョコレートは下記詳細にて購入できる他、ご注文された商品を予約し直接工房で受け取る事ができるようです。
素材を大切にしたい、どうすれば活かせるか?を常に考えられ、作る喜び、食べてくれる人の喜ぶ顔を想像しながら素材の味を引き出す事を試行錯誤されている上垣さん。これからどんなお菓子が生まれるのか楽しみですね。
- この記事の地域の天気情報
詳細情報