職人芸を極めた「神業」と呼ぶにふさわしい品々

『神業ニッポン 明治のやきものー幻の横浜焼・東京焼ー』丹波篠山市

　兵庫陶芸美術館（丹波篠山市）で10月12日から特別展『神業ニッポン 明治のやきものー幻の横浜焼・東京焼ー』が開催される。12月15日まで。

　同展は横浜開港から160年という節目の年を迎えたこと、2020年には2回目となる東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから企画。開港により諸外国から多くの外国人が日本を訪れ、自国とは異なる風土、文化を持つ日本に魅せられた彼らは日本製の絵画、浮世絵、陶磁器、漆工品など、さまざまな品物を購入し、自国へと持ち帰ったという。ただ美しいだけではない精緻な手仕事による職人芸を極めた「神業」と呼ぶにふさわしい品々は、金彩や色絵技法を駆使した華やかな装飾、複雑な彫刻が施され、外国人好みを反映して製作されたもので、なかでも希少価値の高い陶磁器「横浜焼・東京焼」は、製作過程や実態に謎が多く、「幻の陶磁器」と呼ばれている。

　本展では、国内随一のコレクター・田邊哲人さんが里帰りさせたコレクションから精選された品々に加え、明治時代の日本を代表する陶工・宮川香山の作品をはじめ、日本に現存する優品が一堂に会し、幻といわれるその全貌に迫る。

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