〈レポート〉神戸ゆかりの美術館『ヒグチユウコ展「CIRCUS」』楽しく切ないサーカスの世界

 神戸ゆかりの美術館(神戸市東灘区)で『ヒグチユウコ展「CIRCUS」』が9月1日まで開催されている。同展は画家・ヒグチユウコ初となる大規模個展となっており、約20年の画業の中で描かれた700点以上の作品を展示。猫や少女・キノコ・架空の不思議な生きものたちが繰り広げる“楽しくもどこか切ないサーカス”の世界観が演出されている。

 サーカステントの入り口を思わせる入場ゲートをくぐると、賑やかなパレードのような会場が広がる。展示は4部構成で実施。今まで発刊された絵本の原画が勢揃いする『絵本の仕事』では、誰もが見覚えのある愛らしいキャラクターがずらり。1点1点、間近で目を凝らして鑑賞したくなるほど、繊細なタッチで描かれた大作が並ぶ。テーマ「CIRCUS」にちなんだ描き下ろし原画や、ヒグチさんが背景を担当したビジュアルブック「カカオカー・レーシング」の立体展示を行う『CIRCUS』は、本物のサーカス会場に足を踏み入れたかのような、趣向を凝らした内容となっている。

 『ホラー』には、光と影の「影」の部分まで事細かに投影した、ただ“可愛い”だけではない世界観の作品が登場。女の子やかたつむり・ハサミ・瞳など様々なモチーフを通して怖い世界を追求する。『最近の仕事』では本の装画や企業への作品提供など、最新の活動から発表された作品が展示されている。

 展示会場を抜けると、大人気のキャラクター“ギュスターヴくん”たちと写真を撮れるフォトスポットやこれまでに刊行された絵本や雑誌を閲覧できるコーナー、「ヒグチユウコフィギュアマスコット」のトイカプセルコーナーなどが設けられている。さらに物販コーナーには会場限定のグッズも多数販売されている。

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