商店主らの手作り夜市　商店街ににぎわい創出

「元町夜市」

　神戸市中央区の元町商店街で7月29日、恒例の「元町夜市」が今年も開催される。
　例年5万人にも上る来場者で賑わう同イベントは、商店街の店主らが地域住民への感謝をこめて“みんなで楽しく夏の一夜を過ごす”ことを目的として始まった。「最初は地元だけで賑わうこじんまりとしたイベントでした」と、開催初期から関わる同商店街連合会会長・片山泰造さんは振り返る。創成期メンバーの高齢化などもあり、一時は30回目で終了という意見が出たこともあったという。「また若い世代も育ってきているし、今はやめようなんていうことは誰も言わなくなりました。これからも長く続けていきたいと思っています」と、言葉に安堵と決意が覗く。
　大人の雰囲気が漂うジャズライブを行う1番街から子ども向けの縁日が充実する6丁目まで、通りをそぞろ歩くと次々に異なるテイストの催しが楽しめるのが特徴だ。4丁目商店街の元町映画館では「公募自作短編作品」の無料上映会を行うなど、新たな試みも実施される。
　「母親が3日かけて1,200個のおでんを作ったことがありました。私はダシの匂いにうんざりしてしまったけれど、意外とそれが好評であっというまに売り切れて…。そんな手作りの感覚をこれからも引き継いでいけたら」と、片山さんは懐かしそうに語ってくれた。商店主らの温かな心遣いが感じられるイベントで、夕涼みのひとときを過ごすのも良いかもしれない。

詳細情報