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映画『Vision』大阪舞台挨拶レポート 河瀨直美監督、永瀬正敏、岩田剛典が登壇

 5月18日、なんばパークスシネマ(大阪市浪速区)で映画『Vision』の完成披露上映会が実施され、監督・脚本を務めた河瀨直美、主演の永瀬正敏、岩田剛典(三代目J Soul Brothers、EXILE)による舞台挨拶が行われた。

 世界中で高い評価を受けている河瀨監督が生まれ故郷である奈良県を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと国際派俳優・永瀬正敏をW主演に迎えた最新作。人が“人”として母なる大地で生きることに真正面から向き合う“いのち”の物語を描く。薬草の一種で幻の植物“Vision”を探すため奈良・吉野の山深い森にやってきたフランスの女性エッセイスト・ジャンヌをジュリエット・ビノシュ、森で暮らす山守の男・智を永瀬正敏、同じく山守の若者・鈴を岩田剛典が演じている。

 観客の大きな声援で迎えられた3人。河瀨監督にとって記念すべき10本目の作品となる今作について「森をテーマにした作品から約10年という期間でビジョンという作品に行きついたんですけど、これは何かに導かれるようにしてもう一度ここに帰ってきたような。積み重ねているんだけど回帰する、そしてまた新しい扉を開けるような感覚。吉野はつい先日(奈良時代のものとみられる大型の建物の跡)「吉野離宮」が発見されたというニュースが出ましたし、私は何かに導かれているんじゃないかと思います。(私は)魔女的な要素もあるとよく言われますし…」と河瀨監督が話すと、すかさず永瀬が「魔女ですからね(笑)」とコメント。続けて、順撮りにも関わらず雨のシーンを撮影する日に実際に雨が降ったというエピソードを明かし、「これはもう、魔女です。映画の神様に愛されている方ですね」と絶賛した。今作で河瀨監督の作品に初出演となった岩田は「河瀨組ならではの洗礼といいますか、いろんなことが違いましたね。これまでの経験がすべて通用しない。普通はリハーサルをして本番という流れだけど、目が覚めたらもうカメラが回っていた」と振り返り、「アドリブの英語に対してアドリブの英語で返さないといけなくて、ヒヤヒヤでした。何分も沈黙の時間があった」という撮影中の苦悩も明かした。

 終盤には、永瀬演じる智の愛犬・コウがサプライズ登場する演出も行われ、「まじか!」と驚く永瀬にコウがしっぽを振ってすり寄ると少し涙ぐみながら「僕は彼に吉野の山を教えてもらった気がします。ずっと一緒にいてね…。やばい、泣きそうなんですけど…」と感無量な面持ちで語った。最後に、「全編吉野の森で撮影して神秘的な作品になっていると思います。上映が終わった後、心が浄化されたような気持ちになってもらえると思いますので、そのエンターテインメントをぜひ体感していただければ(岩田)」、「岩田くん、夏木マリさん、森山未來くん、ジュリエット・ビノシュさんと、それぞれのファンの方々も今まで見たことのない皆さんがスクリーンに生きてます。何度も会いに来ていただければ嬉しいです(永瀬)」、「吉野の山のことをよく知っているコウが、大切なことも厳しいこともいっぱい教えてくれました。コウだけじゃなく、吉野に暮らす皆さんが私たちにたくさんの愛をくれました。そんな愛情を受けてこの映画は誕生し、智、鈴、ジャンヌ、皆がここで生きました。その奇跡はこの映画の中に永遠です(河瀨監督)」とそれぞれ話し、舞台挨拶を締めくくった。

 映画『Vision』は6月8日より公開される。

 

—はじめの挨拶

【河瀨監督】たくさんの若い方がいらっしゃる上映会というのは私は久しぶりでございます。…うん?誰のせい?(笑)〈観客:がんちゃん!〉はい、この「vision」という映画はジュリエット・ビノシュさんをお迎えして、日仏共同生活ということで、国際的にこの方々がスクリーンデビューするという作品です。もう一つの主人公である森、その存在そのものをマイナスイオンを感じるように感じていただければと思います。
【永瀬】愛犬コウと暮らしていました智です。宜しくお願いします。今日は正面(客席)を見ると(椅子の色が)グリーンで。河瀨監督は世界的に「河瀨グリーン」と言われていて、緑が特色でもありますので、こっち(客席)もグリーン、こっち(監督)もグリーンというのが…、僕も客席に座って見たいですね。
【岩田】皆さんこんにちは。鈴を演じさせていただきました岩田剛典です。皆さんに今日観ていただくのをワクワクしてきました。短い時間ですけど、最後まで宜しくお願いします。

—今作が記念すべき10本目ということですが。

【河瀨監督】『萌の朱雀(もえのすざく)』『殯(もがり)の森』という森をテーマにした作品から約10年という期間でビジョンという作品に行きついたんですけど、これはなんか導かれるようにしてもう一度ここに帰ってきたような。積み重ねてはきているんだけど、回帰する、そしてまた新しい扉を開けるような感覚で。特にこの吉野という場所はつい先日「吉野離宮」という場所も発見されたというニュースが出たように、私は何かに導かれているんじゃないかと思います。魔女的な要素もあるとよく言われますし…。
【永瀬】魔女ですからね(笑)。河瀨監督の映画は順撮りといって、シーン1から順番に撮っていくんですけど、真ん中くらいに雨のシーンがあるとして、そんなに上手くスケジュールっていかないものじゃないですか?でもそれがその日になるとちゃんと降るんです。これはもう…魔女です(笑)。映画の神様に愛されている方ですね。

—岩田さんは河瀨監督の“魔女ぶり”は感じられましたか?

【岩田】僕は河瀨組に参加させていただいたのは今回が初めてで、声を掛けて頂いたときは本当に自分で良いのかなと。すごく重厚な作品に参加できたことを光栄に思っているんですけど、河瀨組ならではの洗礼といいますか、いろんなことが違いましたね。これまでの経験がすべて通用しないという。普通はリハーサルをして本番という流れだと思うんですけど、河瀨組の場合はその場所に住んでパっと目が覚めたらもうカメラが回っているんですね。だからドキュメンタリーのような感じでその人の生活を切り取っているという生感を映像を見ていただくと感じてもらえるんじゃないかなと思います。
【河瀨監督】あと、これまでと違うというのは、英語でも演技をされていますからね。
【岩田】ヒヤヒヤでしたけどね。シーンの中のセリフでももちろんあるんですけど、アドリブの英語に対してアドリブの英語で返さないといけなくて。すごく難易度の高い芝居を求められる状況だったので何分も沈黙の時間がありましたね。
【河瀨監督】待ち時間に「岩ちゃん英語できる?」って聞いたら、「ええ、まぁ」って答えたから(笑)。
【岩田】「できません」とは答えられなかったです(笑)。
【河瀨監督】それが条件だったらどうしよう…みたいなね(笑)。でもそれによって国際的な感覚の中での表現といいますか、邦画だけに寄らないというか。私たちの現場はいろいろな言語が飛び交ってましたね。
【永瀬】3か国語、4か国語と普通に。インターナショナルな現場でしたね。
【河瀨監督】ビノシュとかハリウッドで活躍されている方との共演はいかがだったのかを2人に聞きたい!
【永瀬】僕は撮影中ずっと「ジャンヌ」さんだと思ってたんですけど、理解度がとても深くてちゃんと自己主張をする。監督がOKっていっても「もう1回やらせて」って。海外の現場ではそういう自己主張っていうのはすごくよくある。製作スタッフからくることも演者から問いかけることもある。そういうセッションで作っていくことが多いので、改めて感じました。
【岩田】誰もが知る大女優さんとご一緒できて嬉しかったですし、初対面のときはすごく緊張してどういう風に接していけばいいのかと思ったんですけど、すごく気さくで明るくてピュアでチャーミングで、1回笑いのツボに入ると抜けないこともあって(笑)。すごく愛しい方でした。
【河瀨監督】私からしたら、大女優というか「大阪のおばちゃん」みたいな(笑)。食いしん坊でチャーミングで。「飴ちゃんあげよか?」みたいな感じで皆を育んでいる感じしませんでした?
【岩田】…大阪のおばちゃんって言えるのは監督くらいです(笑)。

—現場でたくさんの言語が飛び交っていたとということですが、永瀬さんはワンちゃんとも会話をされていましたよね。

【永瀬】はい、コウという。彼はタレント犬でもなく本当に吉野の山に住んでいる今ちょっとめずらしい犬を使った猟に出ている賢い犬なんですけど。台風の日とかは一緒に寝ましたね。
【河瀨監督】コウと鈴が被るんですよね。
【永瀬】(岩田が)犬顔というわけじゃないですよ?(笑)魂が共有しているといいますか、雰囲気があるんです。

—実は、今日は3名様にお会いしたい、そして皆様にもぜひご挨拶したいと、サプライズで「ある方」にお越しいただいています。〈コウが登場〉

【永瀬】コウ!まじか!
【河瀨監督】久しぶり!
【MC】やはり永瀬さんに懐いてますね。
【永瀬】ほら、鈴だよ。
【岩田】久しぶり。〈コウが岩田さんに懐くように擦り寄る〉
【河瀨監督】ほら、皆に顔を見せて。
【永瀬】僕は彼に吉野の山を教えてもらった気がします。ずっと一緒にいてね…(少し涙ぐんで)やばい泣きそうなんですけど。映画を見て頂くとわかるんですが、まだ言えないことがたくさんあるんですが、今日は会えて特別…。
【岩田】元気そうでホッとしました。

—最後にメッセージ

【岩田】全編吉野の森で撮影して神秘的な作品になっていると思います。上映が終わった後、心が浄化されたような気持ちになってもらえると思いますので、そのエンターテインメントをぜひ体感していただければと思います。
【永瀬】言葉がでないですが…それぞれキャストのファンの方々、今までに見たことのない…〈クーンクーンと鳴くコウ〉はーい。そう、その通り(笑)!今日観ていただいた方々も何度も何度も会いに…〈クーンクーンと鳴くコウ〉そうだね。会いに来ていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【河瀨監督】吉野に生まれて吉野に生きているんだよね、コウはね。だから吉野の山をたくさん知っていて、大切なことも厳しいこともいっぱい教えてくれました。コウだけじゃなく、吉野に暮らす皆さんが私たちにたくさんの愛をくれました。そんな愛情を受けてこの映画は誕生し、智、鈴、ジャンヌ、皆がここで生きました。その奇跡はこの映画の中に永遠です。

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Kiss PRESS編集部:松田

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