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岸谷五朗&寺脇康文独占インタビュー

岸谷五朗&寺脇康文独占インタビュー

 岸谷五朗さんと寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」は、2014年に結成20周年を迎える。
 最新作となるVol.13『クザリアーナの翼』では、4つの階級に縛られた架空の国「ジャメーリア」を舞台に、それぞれの運命に逆らい必死に生きる人間たちを描く。

岸谷五朗&寺脇康文 Kiss PRESS独占インタビュー

―「地球ゴージャス」というユニット名の由来を教えてください。

<B>岸谷</B> 阪神・淡路大震災の時に、みんながそれぞれの力で復興支援するなかで、職業俳優としては何もできないなと感じたんですね。
もちろん人道的な活動というのはどの職業でもできるんですけど、料理人は料理を作り、大工さんは家を作るなかで職業俳優として「何ができるんだろう?」と考えた時、「何もできない」と無力感を抱いて。
その時にちょうど、海外の戦地で瓦礫に映画を映しているというニュースを見たんです。傷ついた兵士とか包帯を巻いた子どもたちが、その壁画を見て楽しそうに笑っていた光景に救われて、「ああこれだな」と。僕らは家を作ることも料理を作ることもできないけど、その人たちの心を豊かにすることはできるんじゃないかと思ったんです。つまり、大上段に構えると“地球をゴージャス”にすることができると思ったのと、あとはちょっと笑われたくて(笑)、この名前をつけました。

―映画やドラマなどで広く活躍されているお二人ですが、それらの活動とは別に演劇ユニット・地球ゴージャスを続けていらっしゃる理由を教えてください。

<B>寺脇</B> まず根底にあるものを考えると、映画とドラマというのはイチ俳優として物凄く良い仕事をする歯車になりに行くんですよね。
プロデューサーがいて監督がいて脚本家がいる場所で、「岸谷五朗に出てもらって、寺脇康文に頼んで良かったよ」と言ってもらえるように職業俳優としてその世界観を表現する良い歯車になりに行くんですよ。でも地球ゴージャスでは逆なんです。五朗が脚本を書いて演出をして僕がサポートして、僕らがゼロから作った世界観に色んな方に来ていただく立場になる。
地球ゴージャスは何かを創造していく場所であり、自分たちの生きざまを見せていく場所で、他のところは優秀な一人の俳優になるために行く場所だと考えています。

―今回の『クザリアーナの翼』で、お二人の役どころはどのようなキャラクターでしょうか?

<B>寺脇</B> 僕は、4つの階級に分かれているジャメーリアという国のなかで最下層の“デッシュ階級"に属するキジーという役です。
今回珍しく五朗とずっと一緒なんですよね。今まではそれぞれの場所があって、どっかで会ったりすることで2人のシーンを作っていたんですけど今回はずーっと一緒なんで、テーマ的には重いストーリーなんですが、その辺で明るくしていけるのではないかと思っています。
キジーっていうのは、よく親戚のおじさんで「あの人、良い人なんだけど酒入るとうるさいのよね」「でも憎めないのよね」みたいな感じの人っていると思うんです。だけど、「昔の話聞くと、学生運動とか先頭にたってやってたらしいわよ」という武勇伝があったみたいな。
ちょっと謎に包まれた、今はみんなからダメダメ言われながらも愛されているようなおじさん。そんな役ですね。

<B>岸谷</B> 僕も、寺脇さんと同じ種類のおじさんです(笑)。
動くおじさん、俊敏なおじさん、歌うおじさん、踊るおじさん、おじさんのなかのおじさんを、今回は我々が演じます(笑)

―お二人ならではの掛け合いなどを期待してしまいます(笑) そんなお二人の仲の良さには秘訣などあるのでしょうか?

<B>寺脇</B> 人間的には性格も全然違うし、考え方とか違うところももちろんありますから、それがひとつ良いんでしょうね。お互い羨ましいなと思うところがあったり、「俺にはできねえな」と思うところがあったり。
あとは一番深いところのセンスが一緒というか、“良い”と思うことと“いやだな”と思うことが一緒なんです。たとえば、“Aという村”と“Bという村”があったら、絶対二人とも同じ“A”に行くわけですよね。中では違う遊びをしているかもしれないけど、まあ“Aという村”に行くことはもう「絶対行くよね」「Aだよね」「Aだよね」っていう。その根底が一緒だから、どうなったってたぶん揺らがないんだと思います。

―そして地球ゴージャスでは、華麗な群舞などが毎回印象的です。

<B>岸谷</B> やっぱり一つの国を表現するとなると人間の力が必要なんです。
そして、エンターテイメントとしても群舞のレベルの高さというのは日本の演劇の一番誇れるとこだなと感じています。勝手に自分で芝居をしないというか。良い意味でアメリカは利己主義ですが、そのブロードウェイに対して、演劇において日本人はみんなで揃えてひとつのかたまりをつくる力がすごく強いんですね。
その群舞での表現というのは地球ゴージャスが一番自信を持っているところかもしれません。

―20周年を迎えた地球ゴージャスの、今後の展望などを聞かせてください

<B>寺脇</B> 実は僕らそういうのはないんですよ(笑)
やりたくなければやらなければ良いし、フットワークを軽くしたい、色んなことに縛られたくないというのがあります。やりたい芝居ができてから、順番通り劇場を選んだり作品を書いたりしたいんですよね。誰かを先に主役だけ決めておいて、あとで何とかじゃなくて、この作品だからこの役にはこの人が良いよねっていう順番通りになるべくいきたいんです。だから劇団ではなく二人だけのユニットで、あとは客演っていうふうにしているんですけど。
今回20周年を迎えて13作品めですけど、これは僕らがあとで「あ、13作品目なんだ、20年なんだ」と思うことであり、別に長く続けるためにやっているわけでもないんですよね。一作ごとにゼロから作って、100にもっていったら、またゼロに戻して、その繰り返しで一作一作をただ良いものにするためにやるだけで、長期的な展望というのはあんまりないんです。
次はもしかしたら五朗が一人芝居したいと言い出すかもしれない。それは二人の話のなかの今は何をやりたいか、どんなことをしたいかっていうのを、その時その時で決めていかないと「10年後こうしていようぜ」っていったってそんなにうまくいくわけもないし(笑)
目の前にあるものを、近くにあるものを考えていくだけで、それが結果終わってみたら「30年続いたね」なのかもしれないし、「おいおいあの時13作だったけど今は35作品目になってる、けっこうやったな!」なのかもしれないし、分からないけど。そういうのは後で思い返せばいいことだなと感じています。
今やっていることをうまくできなくて将来はないから、まずはそれをやろうって思います。

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Kiss PRESS編集部

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