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劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』より高杉真宙にインタビュー

衝撃的なタイトルと予測できないラストが反響を呼び、累計発行部数260万部を突破した小説『君の膵臓(すいぞう)をたべたい』。他人と深くかかわることを避けるようにして生きている高校生“僕”と、膵臓の病気を患い余命宣告を受けながらも常に笑顔を絶やさず、明るく振る舞う桜良の儚い物語が描かれる。昨年ヒットを記録した実写映画化に続き、劇場アニメが9月1日に公開。“僕”の声を担当し、声優初挑戦となった高杉真宙さんにインタビュー。

久々に逃げ出したくなるくらい緊張しました

—声優初挑戦ということで、オファーを受けたときの心境は?
声優はやってみたいことの一つだったので、オファーをいただいたときは「本当ですか!?」って驚きながらも「やらせてください!」と即答させていただきました。僕はアニメ・漫画・ゲームが大好きなので、こうしてアニメーション作品に関わらせていただくことが嬉しかったです。でも、だんだん現実味を帯びてくると不安が大きくなってきて。テストアフレコをしてから本番までの期間は、久々に逃げ出したくなるくらい緊張しましたね。アニメが好きでプロの声優さんのお仕事を見てきた分、自分の中で理想像ができてしまっているんですけど、自分はそれができなくて。その理想と現実を埋めるためには、どんな努力をすればいいのかが分からないという状況で怖かったですね。

—「自分らしく表現できたら」と話されていましたが、実際にやってみていかがでしたか?
監督に「そのままでいい」と言っていただいてからは、リラックスして臨めました。やるべきことも見えて本番までの役作りもしっかりできましたね。でもやっぱり、声だけで表現するのは難しくて。普段は声以外でも感情を表現できるので、今までとは違う演技をやらないといけないんじゃないかと思ってしまっていたんですけど、正解はそうじゃなくて。実際にやってみて、今までやってきたことを出せたらいいんだと思えました。そして自分らしく演じるためにも一番重要だったのは役作り。役柄をどれだけ理解できるかが勝負だと思って、テストアフレコから本番まではこの子(“僕”)のことだけを考えて過ごしていました。「何で桜良という人物に惹かれるのか」「こう考えたからこのセリフを言ったんじゃないか」とか、起きてから寝るまで台本を読みながらひたすら考えていましたね。その時間は大変でしたが、今回の役作りにおいて重要であり、楽しい時間でもありました。

—「自分らしく演じる」というのは、“僕”を自身に置き換えて考えるということでもあるのでしょうか?
似ている部分はありましたが、自分に置き換えることはなかったですね。“僕”を理解しようと思っていたからこそかもしれないですけど、セリフに疑問をもつこともなく、腑に落ちる感じでした。役柄には否定的になりたくないなというのは常にあります。

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—何テイクも録り直したなど大変だったシーンは?
桜良と行った焼肉のシーンですかね。“僕”は基本的に自分の思っていることや考え方を話さない子なんですけど、このシーンでは結構喋っていて。それまで突き放すように話していた子が自分のことを話す場面で、セリフ量も多かったので大変でしたね。

—自身の声が吹き込まれた”僕”を見ていかがでしたか?
どうなんですかね…自分ではあまり客観的には見られないです。声優は初めての挑戦だったので余計に「もっと、もっと」と思ってしまって。でも、自分の中ではしっくりくるシーンもありましたし、全力を出し切れたので楽しかったです。どんな作品もですが公開されるまでは自分で評価ができないので、観てくださった方の反応がすべてだなと思っています。

これまでに考えもしなかった
桜良の考え方や感覚に惹かれた

—胸を締めつけるような切ないセリフもたくさん出てきますが、特に印象的だったセリフはありますか?
桜良の「私は他人によって出来ている」というセリフですね。僕自身も演じた“僕”と考え方は似ていて、常に自分との戦いだと思っていたり、自分で自分を追いつめながら生きていくタイプで。自分1人で出来ると思ってしまっているところもあるので、この言葉を聞いて改めて人間関係や人との関わり方について考えさせられました。桜良はいろんな人と出会って関わってきたことで、そういう考え方になったのかなとか、余命宣告を受けて命の尊さを知ったからそう考えるようになったのかなとも思いましたね。“僕”はこれまでに考えもしなかった桜良の考え方や感覚に惹かれたんだなと思いました。