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ミュージカル『ピーターパン』 吉柳咲良、神田沙也加 インタビュー

数々のスターを輩出したファミリーミュージカルの金字塔『ピーターパン』が今年も上演。記念すべき10代目ピーターパンに史上最年少タイの13歳で抜擢されたのは吉柳咲良さん。持ち前の明るさとフレッシュな魅力で永遠の少年・ピーターパンを演じる。相手役のウェンディには神田沙也加さんが6年ぶりにカムバック。ミュージカル女優としてさらに経験を重ね、より繊細に、より豊かな表現で夢見る少女の心情を描き出す。好対照な新生ピーターパンコンビが、新演出・新衣装で一大エンターテインメントとして生まれ変わった『ピーターパン』の魅力を語る。

ピーターパンというのが
自分の中で絶対的なヒーロー

―吉柳さんは第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得し、10代目ピーターパンに抜擢されました。初舞台でこの大役に挑む気持ちはいかがですか?
吉柳 歴代演じてきた方々が素晴らしい先輩ばかりで、その歴史を背負って10代目のピーターパンをやるということは本当に重大なことです。今までこの作品を観てきた方の期待に応えられるよう、私にしかできないピーターパンで、子どもはもちろん大人も含めて幅広い年齢の方に楽しんでいただきたいですね。まだ芝居も未経験で何もわからない新人なのに主役なんて大変なんじゃないかって自分でも思ったんですけど、ピーターパンと年齢が近い分私の今の明るさや活発さは今までの誰よりも投影できるんじゃないかと、そこは自信があります(笑)。そういうところを生かして、踊りもフライングも一生懸命頑張っていきたいです。

―舞台を飛び回る“フライング”のアクションはこの舞台の大きな特徴でもありますが、自信のほどは?
吉柳 フライングって最初すごく難しいものだと思っていたんですけど、高いところもジェットコースターみたいな落ちる瞬間のフワッとする感覚もすごく好きなんです。誰もが多分1回は小さい頃に「空を飛びたい」って想像したと思うので、それを私ができるというのは本当に楽しみです!

―神田さんは2011年以来のウェンディ役ですが、役の捉え方などに変化はありましたか?
神田 6年間という長い期間をあけてまた同じ役にカムバックするというのが自分の役者人生の中でもなかったことで、しかも私ももう30歳になっているので「大丈夫かな?」っていう思いもあったのですが、そこはもう13歳の咲良ちゃんのフレッシュさに一生懸命ついていこうと思います。それにウェンディは3年間やらせていただいた大切な役だったので、その思い入れはそのままに新しい演出と衣装に包まれて、新しいアイデアをリアルタイムでディスカッションしていけたらいいですね。

―長年愛されている『ピーターパン』という作品の魅力は?
吉柳 『ピーターパン』の舞台があるということは私がこの役をいただくまで知らなくて、資料用のDVDで初めて拝見したときに「こんなにすごいんだ!」って驚いてしまいました。観ているとどんどん引き込まれて、ネバーランドにいるような気分になれます。こんな素晴らしい作品で私が主役を演じられるということは、本当に光栄で嬉しいです。
神田 私は7歳くらいの時に初めて観たミュージカルが『ピーターパン』で、目の前で飛び上がっていくピーターパンにすごくビックリしたんです。ありがたいことにドリームシートという舞台に近い席にいたので、本当に近くまでピーターパンが来てくれて「ピーターパンってここにいたんだ!」って思いましたね。今回もこの夏休みに『ピーターパン』を見る子どもたちに、「ピーターパンもウェンディもここにいたんだ」って思ってもらえるような説得力のあるキャラ作りをしていけたらと思っています。私が知っている中でも一番夢のある作品だと思いますし、関わらせていただいてからはピーターパンというのが自分の中で絶対的なヒーローになりましたね。

―たくさんの子どもたちにとって初めてのミュージカルになるかもしれない本作。初めての思い出は一生残るものですよね。
神田 そうですね。ウェンディで最初に参加が決まった時も「あの『ピーターパン』だ」っていうのを鮮烈に覚えてましたし、すごく不思議な感覚でした。それくらい、初めての記憶って大人になっても残っているものなので、咲良ちゃんにとってもこの作品は初舞台というすごく大事な経験ですよね。誰かの初舞台に関わるというのはとても光栄かつ責任があると思うんです。1回しかない初舞台で、「最高の思い出になった」って咲良ちゃんが胸を張って言えるように力添えができたらなと思います。

夢見がちって言われるかもしれないけど、
ピーターパンを信じてほしい

ピーターパン3

―子どもたちにどんなことを感じてほしいですか?
吉柳 夢見がちって言われるかもしれないですけど、ピーターパンを信じてほしいです。それに、ピーターパンってすごく友達思いでかっこよくて正義感も強いので、親御さんなら「そんな子になってほしい」って思うんじゃないかなって。私自身がまだ子どもなので全然そういうことはわからないですけど、元気で明るくいてくれる方がきっといいと思うんです。そういういいイメージを持って帰ってもらえたら嬉しいです。
神田 男の子であればピーターパンに憧れて、一緒に飛べるっていう気持ちになってほしいですし、ウェンディに共感する女の子には「もしかしたら今夜ピーターパンがきてくれるかもしれない」って空想しながら観てもらいたいです。『ピーターパン』という物語が、私の僕の身にも起こりうるんじゃないかっていうくらい近しい作品として受け止めてもらえたらいいなと思いますね。

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