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舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』白洲 迅インタビュー

世界中で愛される純愛物語の名作を、エンターテインメント性あふれる冒険活劇作品として上演する『シラノ・ド・ベルジュラック』。剣豪にして詩人、権力に背を向ける熱血漢だが、自分の醜さを恥じて、非の打ちどころがない麗しい才女・ロクサーヌ(黒木瞳)に愛を告げられないシラノ(吉田鋼太郎)の生死を賭けた愛の物語を描く。ロクサーヌが一目惚れする美青年・クリスチャンを大野拓朗さんとWキャストで演じる白洲迅さんにインタビュー。本作への意気込みのほか、思いを上手く言葉にできないクリスチャンに共感してしまうという白洲さん自身の性格など、プライベートなことについても語ってもらった。

面白く、可愛く、愛されるキャラクターに

―台本を読まれてみて、作品やご自身の演じられる役柄についての感想をお願いします。
今までもいろんな形で上演されている有名な古典の戯曲ですが、今回の舞台には今風の若者言葉を取り入れるなど現代的な要素も加わるので、僕自身もどういった作品になるのか楽しみです。僕が演じるクリスチャンは、とにかく純粋。ロクサーヌに対する想いはあふれるほどあるのに、なかなか言葉にできないんです。ふとしたところで胸に響くことを言うのですが、ちょっとおバカな面もあって(笑)、そのコントラストも上手く表現できればと思っています。面白く、可愛く、愛されるキャラクターになればいいですね。

―白洲さん自身も思っていることを言葉にするのが苦手だとか?
何を言っているのか自分で分からなくなってしまうくらい口下手です。思いはあるんですよ…クリスチャンそのままですね(笑)。「言葉にしようとするとなんでこんなに出て来ないのかな」と結構落ち込みますね。経験を重ねて良くなっているとは思うのですが、調子がいい時と悪い時があって。未だに上手く喋れていない…と思うことがあります(笑)。プライベートでも自分の話をするのはあまり得意ではなく、聞いている方が好きですね。なので、友達は自然とよく話す人が多いです。あ、それが聞き役になることが多い原因の一つなのかもしれないですね(笑)。

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―クリスチャン役はWキャストですが、今のお話を聞くと、自分から発信していく大野さんは白洲さんと真逆のタイプ?
大野さんとはまだお会いしたことがないのですが、グイグイきてくださった方が僕はありがたいです(笑)。Wキャストで演じる公演が初めてで、まだどのように稽古が進んでいくのか分かりませんが、いい意味で戦いながら一緒に作っていければ嬉しいですね。もちろん同じ役なので共通する部分は多いと思いますが、Wキャストならではの良さを引き出せるようにしたいなと思っています。一緒に稽古していく中で「そうされるのか、じゃあ僕はこうしよう」みたいな場面を見つけていきたいですね。

—一途で正義感の強い男シラノが主人公となる本作、白洲さんの理想の男性像は?
シラノは結構、僕の理想に近いですね。ただ無骨なだけではなく、ユーモアセンスや程よい抜け感がかっこよく、憧れますね。そののらりくらり感、果たして僕はいつか出せるのでしょうか。ロバート・ダウニー・Jrがすごく好きなのですが、シラノと通ずるものがあるなと。いつか、僕もそういう男になれたらいいなと思いますね。

―演出は前回の出演作品『花より男子 The Musical』に続いて、鈴木裕美さんが担当されますが。
前回の舞台で、芝居の基本を学べました。例えば「そこに座るのはなぜか」「相づちの『うん』だけでも、それはどういう感情がこもっているのか」など全てに理由・意味があるということを改めて教えていただきました。気持ちの流れを作るために、芝居の中にある一つひとつの動きに対して意識を持つことの大切さに気づかされました。今回またご一緒できるのはすごく嬉しいですが、それと同時に「前回以上に頑張らないと」と身の引き締まる思いです。

舞台はすごく贅沢で、幸せな時間

—『明日の君がもっと好き』や『明日の約束』など多数のドラマにも出演されていますが、デビュー作がミュージカル『テニスの王子様』(2011年)ということで、やはり舞台には特別な思いがありますか?
舞台は、お客様が同じ空間にいらっしゃる中でお芝居をして、幕があがれば最後までやりきるしかないので、緊張もするし怖さもあります。でも舞台はものすごく贅沢な時間だなとも思います。稽古の時間もそうですし、同じお芝居を何公演も演じる分、ドラマなどの映像作品に比べて作品に向き合う時間が長いので、こんなにも時間をかけて一つの作品を作る舞台はすごく贅沢で、幸せな時間だなと思います。

—今後はどんな作品に出演したいですか?
具体的にはありませんが、信頼できるスタッフさんといい作品が作れたら幸せだなと思います。人を感動させたいという目標に向かって、大人数で一つのものを作るお仕事って本当に希有だと思うし、正解が分からない中でも一丸となって作り上げていく姿に改めてすごい仕事だなと感じています。素敵な監督はじめ、スタッフの皆さん、出演者の方々と出会える作品に出演したいですね。そうやって作品一つひとつに思い入れが深くなることが、結果的に良い作品へと繋がるのかなって思います。どんな役のオファーがきても挑戦したいですね。