目の見えない人も楽しめる、触って感じる美術展。特集『みなと物語 新収蔵品を交えて』も同時開催

兵庫県立美術館 小企画『美術の中のかたち－手で見る造形 青木千絵展 漆黒の身体』 神戸市中央区

　兵庫県立美術館（神戸市中央区）にて7月8日から、9000点を超える収蔵作品を1年間で3期に区切って紹介する「県美プレミアム」の2017年度第2期 小企画『美術の中のかたち－手で見る造形　青木千絵展　漆黒の身体』が開催される。会期は10月15日まで。

　同館では美術鑑賞の機会の少ない目の見えない人も作品を楽しめるように、作品に触れて鑑賞する「美術の中のかたち－ 手で見る造形」展を1989年から開催してきた。28回目の開催となる同展では、漆を素材として身体を表現する青木千絵の作品が展示される。誰にとっても身近な身体のかたちが青木の作品においては、ドロリとした塊に呑み込まれているように、あるいは艶やかな球体に変形しているように、印象的な抽象形態と融合。作品は麻布の下地に漆を段階的に塗り重ね30を超える工程で長い時間と手間をかけて作られており、神経を研ぎ澄ませて滑らかに仕上げられた作品に触れることで、作家が制作に向き合った時間を共有することができる。また、アーティスト・トークや子ども向けのワークショップなどの関連イベントも開催予定。

　さらに、特集『みなと物語 新収蔵品を交えて』も同時開催。神戸開港150周年でもある今年は「みなと」にちなんだ作品が集められ、新収蔵品を含めた展示が行われる。「波濤を越えて」では初のお披露目となる今井俊満《ヴェネツィアに捧ぐ 波濤図》を中心に水の表現や神戸港から西洋へ旅立った作家らの作品を紹介。そのほか「集合」「重層」、20世紀前半に描かれたアジアについて考える「みなとからアジアへ」の4つのパートで作品が展示される。

◆小企画『美術の中のかたち－手で見る造形　青木千絵展　漆黒の身体』関連イベント
・こどものイベント「パーツに注目!ブロンズ粘土でつくるからだ」
日時 9月2日（土）13:00〜（約3時間）
講師 青木千絵（出展作家）
参加費 600円
対象 小学3年生以上 2人1組で参加 ※大人2人は不可
定員 10組（事前申し込み必須）
申し込み こどものイベント係 TEL 078-262-0908（8月2日から受付開始）

・アーティスト・トーク
日時 9月3日（日） 13:30〜（約60分）
講師 青木千絵（出展作家）
料金 無料（定員100人）

・ミュージアム・アクセス・ビュー主催 鑑賞ツアー
日時 7月23日（日） 13:00〜16:30
参加費 800円
募集人数 視覚に障がいのある人 10人、晴眼者 20人
ツアーの申し込み・問い合わせ
詳細は主催者のWEBサイトを参照
http://u0u0.net/DtDT

◆特集『みなと物語 新収蔵品を交えて』関連イベント
・ミュージアムボランティアによるガイドツアー
日時 会期中の金・土・日曜日 13:00〜（約45分）
場所 エントランスに集合
料金 無料（要観覧券・定員なし）

・学芸員によるギャラリートーク
日時 7月8日（土）、10月14日（土）16:00〜（約40分）
料金 無料（要観覧券・定員なし）

・「美かえるからの挑戦状2017」
日時 7月22日（土） 13:30〜16:00
対象 小学3年生〜高校生とその家族
募集人数 30人 ※要申込み（6/22の朝10時より電話にて受付・先着順）
参加費 200円（材料費、保険） ※大学生以上は要観覧券
申し込み・問い合わせ こどものイベント係 TEL 078-262-0908

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