闇の奥、遡上の果てに—

映画『彷徨える河』

　コロンビアの俊英シーロ・ゲーラが描く、深遠なるアマゾンを舞台にした“失われゆくもの”の物語『彷徨える河』が元町映画館（神戸市中央区）にて6月3日から16日まで上映される。

＜ストーリー＞アマゾン流域の奥深いジャングルにある侵略者によって滅ぼされた先住民族の村で暮らすカラマカテ（ニルビオ・トーレス／アントニオ・ボリバル・サルバドール）は、唯一の生き残りとして他者と交わることなく孤独に生きていた。ある日、不思議な呪術を操る彼を頼り、重篤な病に侵されたドイツ人民族学者がやってくる。白人を忌み嫌うカラマカテは一度は拒否するが病を治す幻の聖なる植物ヤクルナを探すため、カヌーを漕ぎ出す。数十年後、孤独によって記憶や感情を失ってしまったカラマカテは、ヤクルナを求めてやってきたアメリカ人植物学者との出会いをきっかけに再び旅に出ることに。過去と現在、二つの時が交錯する中で、カラマカテたちは狂気、幻影、混沌が蔓延するアマゾンの深部を遡上する。彼らが向かう闇の奥にあるものとは—。

詳細情報