日本初公開《ビア・デ・メディチの肖像》含めた約70件を公開

神戸市立博物館『遥かなるルネサンス　天正遣欧少年使節がたどったイタリア』　神戸市中央区

　神戸市立博物館（神戸市中央区）で4月22日から、16世紀後半のイタリア・ルネサンス芸術をテーマにした特別展『遥かなるルネサンス　天正遣欧少年使節がたどったイタリア』が始まる。7月17日まで。

　1582年2月、キリスト教の世界布教にともない来日した宣教師ヴァリニャーノは、ヨーロッパ文明の語り部となる日本人を育成するため伊東マンショら4人の少年を「天正遣欧少年使節」としてヨーロッパに派遣した。イタリア・リヴォルノに上陸した少年たちは、フィレンツェ、シエナを経由してローマへ至り、当時の教皇であるグレゴリウス13世に謁見（えっけん）。帰国の旅で訪問した各都市では手厚いもてなしを受け、教会の儀式に参加するなど見聞を広めたという。

　同展では、「天正遣欧少年使節」が訪れたイタリア各都市の美術を訪問順に紹介。当時のフィレンツェにおいて大きな権力を誇ったメディチ家の人々を描いた絵画や、《市民を救うカエサル》の物語が描かれたマヨリカ陶器、ヴェネツィアの伝統工芸として知られるガラス細工など、それぞれの都市に花開いた特色ある美術品約70件が展示される。中でも、今回が日本初公開となる《ビア・デ・メディチの肖像》と、2014年に奇跡的に発見された《伊東マンショの肖像》の2点は見もの。

　期間中は多数の関連イベントが企画されており、当時の器楽曲を楽しめるコンサートや同館学芸員による展覧会の解説、ルネサンスにちなんで「仮面舞踏会マスク」を作るワークショップなどが開催される。

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